2023.10.30
参政党が緊急事態条項に反対する理由
参政党は、すでに令和4年7月19日「憲法に対する立場」、令和5年5月3日「代表談話」等で反対の立場を表明しています。
1 民主主義への重大な影響
ひとたび緊急事態と認定されれば、国会審議が行われず、選挙が実施されなくなり、国民が政治に参加する機会が奪われ、民主主義の基盤が失われるという重大な影響がもたらされる。しかし、
(1) 国会の法律制定を待つ余裕がないかどうかを判断する主体は内閣自身であり、内閣の恣意的判断に基づく濫用の危険を防止できない。
(2) 選挙の円滑な実施が困難といえるかどうかを判断する主体は国会及び内閣だが、国会議員の任期が延長されることは議員自身の利益になり、積極的に反対する動機が働きにくい。
2 法律や運用で対処可能
参政党は、緊急事態法制を設けることの検討自体に反対するものではないが、すでに、法律の制定や運用により、国会の審議を待たずに対応できる体制があり、地下鉄サリン事件や東日本大震災などの事態も克服してきた。
・戦争・内乱…自衛隊法、武力攻撃事態法等
・自然災害…災害対策基本法、災害救助法等
・感染症…新型インフルエンザ等対策特別措置法等
なお、選挙実施が一時的に困難となる事態も、日本国憲法第54条第2項の参議院の緊急集会を利用すれば直ちに立法機能は失われない。
3 英米法系の国は憲法にない
アメリカ、イギリス、カナダは憲法に緊急事態条項はない。日本国憲法も英米法的な理解に基づいている。新型コロナの場合、憲法の条項の適用ではなく、新たに法律を制定して対処した国も多い。
4 日本の緊急事態克服の歴史や経験に学ぶべき
外国の制度の模倣でなく、日本の緊急事態を克服した歴史や経験にこそ学ぶべき。日本は緊急事態こそ、皆の意見を聴き、衆知を集めて一つに団結する国柄がある。
5 「感染症のまん延」が恣意的に作り出されるおそれ
「感染症のまん延」は、人工的なウイルスやPCR検査を用いて、人為的に作り出すことが可能であり、緊急事態の発生を操作され得る。
特に、新型コロナの場合、緊急事態と認定されれば、その期間は、国会も開かれず、選挙も行われず、大規模な行動制限やワクチン接種義務化などが実施されそうになっても、国会や選挙などで反対意見を述べる機会が失われていた可能性がある。