6月24日、25日で東北最南端である福島県矢祭町に行ってきました。今回の目的は現地の視察です。福島県矢祭町は平成の大合併があったあの頃、いち早く『合併しない宣言』をし、独自性を追求した自治体です。多くの地方自治体からも一目置かれており、モデルケースとして視察の方がよく来られるとのことでした。品川区においては、矢祭町の方が定期的に『もったいない市場』を開催し、不揃いでなかなかJAには卸せないような農産物を販売されています。そんなひょんな出会いから矢祭町のことを知ることとなり、参政党の品川区議である荻野あやか区議と東京第２区国政改革委員の最上よしのり氏、そして支部のメンバー数人で訪問いたしました。

今回の目的は、「防災相互協定」を考えてのものです。福島県は東日本大震災以降、風評被害により農産物が売れなくなりました。実際には放射能汚染の検査なども十分にしており、数値的には問題ないのですが。イメージが先行し、マスメディアなどもしっかり検査・管理していることを取り上げないことから販路に支障をきたしていたとのことでした。矢祭町においても同様で、苦慮されていたところを品川区に本社がある城南信用金庫さんが知ることとなり、協力されて品川区で農産物を販売することになったようです。そんな経緯があり、矢祭町としても品川区と『防災相互協定』が結びたいとの意向があるとともに。品川区においては、万が一の際においての食料の問題や安心安全に過ごせる居住場所の問題など多くの課題を抱えております。それを解決するにも、やはり多くの地方自治体と繋がっていることは大切なのではないか？そんな想いから、まずは行政の長である矢祭町の町長や役場の方々と意見交換しました。町長の熱い想い、そして役場の方々の真摯な取り組みを聞き、とても有意義な情報交換の場となりました。

役場での意見交換の後は、町の産業について視察しました。上写真は唯一の酒蔵を訪ねたものですが、他にも農業資材の会社や花卉を主力とされている農園など、いくつかの会社を訪れることができました。民間の産業はどんなものがあり、そして働かれている方はどんな想いで産業を支えていらっしゃるのか？いろいろお話を聞くことができました。そして感じたことは、町民の皆さんの意識が高いということです。約5200人という人口で、町民と行政の距離が近いということもあるのでしょうし、消滅が危惧されている自治体ということもあるのでしょう。皆さんが自身が何ができるのか？そして何することが町の発展につながるのか？そんなことを考えながら取り組んでいる様子が伺えました。

１日目の視察の後は、地元の料理を振舞ってもらいながら町民の方々と懇親会。そこでも地方自治体や国の政治課題についてなどの話に火が付き、いろいろな意見交換をすることができました。

そして２日目は、農業体験をさせてもらいました。３班に分かれてそれぞれの農家さんのお手伝いです。私はズッキーニやトマト、きゅうり等を作られている農家さんでした。久々に鍬などを持ち農作業したのですが、日の光を浴びながらの作業はやはり良いですね！ビルに囲まれた都会ではなかなか味わえない心地よさがあります。特に矢祭町は四方を山に囲まれ、清流「久慈川」が流れる自然豊かな土地で、農作業をしながら見る風景が綺麗でした。鮎の遡上も見ることができましたし、これぞ日本の里山と言えるような場所なので、こういう町を大切に残さないといけないと改めて思わされました。

あっという間の２日間でしたが、最後に『もったいない図書館』に伺いました。矢祭町は「もったいない」を合言葉に日本全国より書籍を集め、図書館も運営しています。町の図書館は全国から集まった本の量もさることながら、そのために建て替えられた建物も綺麗で立派なものでした。そう言えば、小学校やこども園などの町民が使う建物は新しく建て替えられているのに、町長や町の職員が使う町役場の庁舎は50年近く情緒のある、天井がひび割れているものでした。自身らが使う庁舎より、町民の施設を優先させているところを見て、仁徳天皇の『民のかまど』の話を思い出し、行政が町民のことを優先させているからこそ町民は行政に協力的なのかもしれない感じました。やはり政治というものは民のことを優先して実行しないといけませんね！！