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2024.03.23

【国会 3/21】 国民が苦しむ中、税金を集め気温を0.006℃下げる必要があるか!?

令和6年3月21日、神谷宗幣 参議院議員が
財政金融委員会で国会質疑を行いました。
 

訴えたのは主に以下の3点です。
 

・機能していた信託型ストックオプションを使えなくしてから、
 外国人も使いやすいものを新たに設けるのは、
 合理性がない! 日本人の投資意欲を削ぐ!!
・戦略分野製品の国内生産を促す減税が、外国企業に必要なのか!?
・電気料金を削減し安全保障を強化する新しいエネルギー政策を!
 

動画はコチラから視聴できます。
https://youtu.be/kAw90p38_0o

 
【国会 3/21】 国民が苦しむ中、税金を集め気温を0.006℃下げる必要があるか!?
 

機能していた信託型ストックオプションを使えなくしてから、外国人も使いやすいものを新たに設けるのは、合理性がない! 日本人の投資意欲を削ぐ!!

 

神谷議員は、所得税法の一部を改正する法律案、
スタートアップエコシステムのストックオプションについて
の質問から始めました。


「スタートアップ」とは、新しい企業であって、
新しい技術やビジネスモデル(イノベーション)を有し、
急成長を目指す企業。
(参照:経済産業省HP「スタートアップの力で社会課題解決と経済成長を加速する」


「エコシステム」とは、
企業や顧客をはじめとする多数の要素が集結し、
分業と協業による共存共栄の関係。
(参照:総務省HP「ビジネスエコシステムの変化」


「ストックオプション」とは、
あらかじめ決められた価格で企業の従業員、
役員が自社株を取得できる権利。
(参照:経済構造実態調査・経済産業省企業活動基本調査実施事務局HP 「ストックオプション制度とは、どのようなものですか?」

 
 

人材獲得のツールとして活用されているストックオプション。
昨年まで機能していた信託型ストックオプションは、
約800社が導入し約5万人が対象となっていた。
それにも関わらず、
認識していたのと異なる課税方針を後出ししたことで
活用されなくなってしまった。
 

今回また新たなストックオプションを
提案したのはどうしてなのか?
 

日本のスタートアップを支援するのが目的であれば、
既に広く活用されていた信託型ストックオプションを
継続させていた方が得策であったのではないか?
 

そう疑問を呈しました。
 
 

対する答弁は、
国税局が令和5年5月に公表したQ&Aは
「原則としてストックオプションの権利行使時に給与課税される」
と改めて明確化したもので課税要件を変えたものではない、
今回のストックオプション税制の見直しは利便性向上のため
の改正であるというもの。
 

神谷議員は、国民の声を代弁して応じました。
2014年から去年までで8~9年やっていたのだから、
ガイドラインを示すのであればもう少し早めにやらないといけない。
「国内に投資してもらいましょう」と
言った後から政府が課税するものだから、
投資意欲が下がってしまう。海外に投資してしまう。
 

”後出しジャンケン” みたいなことは今回だけではない。
こういうことを繰り返せば、政府への信頼を失ってしまう。
何でもかんでも税で取って集め、国民の資産が減っている現状。
 

「取れるものは全部取る」という考えは直した方が良いんじゃないか!?
 

今後の制度設計へ向けた要望を伝え、さらに質問を続けました。

 
【国会 3/21】 国民が苦しむ中、税金を集め気温を0.006℃下げる必要があるか!?
 

スタートアップエコシステムは、そもそも
国内の資本を活用してスタートアップを促進し、
国内経済の発展を目指すべきものだったはず。
 

「外国人投資家を優遇し、国内企業やサービスをかなり解放しているのではないか!?」
 

今回の大きな変更点3点についてそれぞれ問題視しました。
 

1.株式保管委託要件の撤廃
  証券会社を介さず自社で株式を管理できるようにするのは、
  日本の証券会社に口座を作れない外国人投資家のための
  制度変更ではないのか?
2.社外高度人材へのストックオプションの付与
  外国人にストックオプションを渡しやすくする
  緩和措置ではないのか?
3.権利行使限度額の大幅な引き上げ
  大口の株式保有者に有利な制度ではないのか?
 

そして、日本の経済・企業を保護するための外資規制、
防衛策が今回の政策に含まれているのか問いました。
 
 

答弁としては、
外国人の投資家を特別に優遇することを目的としてはいない
として、今回の見直しの要点を以下のように整理しました。
 

・スタートアップが付与したストックオプションの
 権利行使価額の年間限度額を最大現行の3倍となる
 3600万円の引き上げ
・発行会社自身による株式管理スキームの創設
・社外高度人材へのストックオプションの付与要件の
 緩和認定手続きの軽減
 
 

神谷議員は
「外国人を優遇するものではない」という言質を取れたとし、
今後の成り行きをしっかり見ていくと伝えました。
そして、外資の流入を全て反対するわけではないと前置きしつつ、
外国資本に市場を全てコントロールされることへ
次のように警鐘を鳴らしました。
 

外貨がものすごい入ってきている。
市場原理とか自由主義に任せて政策を進めると、
株式の大半を持たれコントロールされる側になってしまう。
いかに一定割合に収め、
日本人側が主導権を持ってコントロールするかということが大事。
 

そういった視点を忘れず強く意識し、
制度設計・政策作りをして頂きたい。
この事は色んな観点で言っていく。
 

神谷議員は念を押しました。

 
【国会 3/21】 国民が苦しむ中、税金を集め気温を0.006℃下げる必要があるか!?
 

戦略分野製品の国内生産を促す減税が、外国企業に必要なのか!?

 

次に神谷議員は、
「戦略分野国内生産促進税制」について質問しました。


「戦略分野国内生産促進税制」とは、
民間として事業採算性に乗りにくいものの、
国として特段に戦略的な長期投資が不可欠となる
GX・DX・経済安全保障の戦略分野における国内投資を促進するため、
生産・販売量に応じて減税を行う新たな制度。
(参照:財務省HP 令和6年度 税制改正(案)のポイント (2)戦略分野国内生産促進税制の創設(案)

 
 

「国内投資を促進するため」とあるが、
経済安全保障の観点から、対象となる企業は
日本企業に限られているか?
 

対する答弁は、
外国企業やその子会社であっても、
令和8年度末までに主務大臣の認定・事業適用計画の認定を受け、
戦略分野における国内での投資・生産を行うのであれば
対象となるというもの。
 

そしてその場合、
国内での本格的な長期投資、生産のための雇用の確保、納税
が必要になるという認識を付け加えました。
 
 

それを受けて神谷議員は、次のように諫めました。
 

外国企業や株式の大半が外資である場合などは、
純日本企業と差をつけるべきではないか?
 

儲かるからわざわざ日本に来て行うのであって、
そもそも減税が必要なのか?
 

それよりも、国民・庶民への減税を考えるべきではないか?

 
【国会 3/21】 国民が苦しむ中、税金を集め気温を0.006℃下げる必要があるか!?
 

電気料金を削減し安全保障を強化する新しいエネルギー政策を!

 

最後の質問として神谷議員は、
戦略分野国内生産促進税制・GX移行債に関連させ、
脱炭素政策について質問しました。
 

日本のエネルギー政策の方向性を定める
「第7次エネルギー基本計画」が作られる今年は、
第6次計画が策定された2021年と比べ、
国際環境が大きく変わっている。
にも関わらず、
日本政府は低炭素・脱炭素政策の弊害を顧みず、
合理的な根拠を示さずにその政策を強化している。
 

そう指摘してから、
「非政府の有志による第7次エネルギー基本計画」
を取り上げ、提言の背景を説明していきました。


「非政府の有志による第7次エネルギー基本計画」とは、
キャノングローバル戦略研究所の杉山大志氏らが出した11の政策提言で、
「安全保障と経済成長を重視する必要がある」と強調しています。
(詳しくはコチラ 「エネルギードミナンス 強く豊かな日本のためのエネルギー政策 非政府の有志による第7次エネルギー基本計画」

 
 

日本政府は
二酸化炭素を「2030年に46%削減する」、
さらに「50%減の高みに向けて挑戦を続けていく」
と宣言しているが、
日本がカーボンゼロを2050年に達成しても、
気温を0.006℃低下させるだけ。
 

国際会議でCO2削減が目標とされているが、
化石燃料による世界のCO2排出総量は2023年に368億トンで、
2022年比1.1%増の過去最高。
日本は2013年から2022年にかけ
20.5%削減し孤軍奮闘しているが、
その内の15.5%は経済活動量の低迷が要因。
 

そんな中、コロナパンデミックやウクライナ戦争の影響で、
エネルギー価格が高騰しESG投資のパフォーマンスが低下。
世界中の機関投資家は、利益が得られないからと
ESG投資から手を引いている。
国際的にもGX投資・再エネ投資に対する
軌道修正が始められている。
 
 

さらに、神谷議員は問題意識を熱弁しました。
 

日本だけが大規模な投資を続ければ、
日本だけが不利益を被る可能性が大きい。
今やるべきは、安価で安定したエネルギー供給を確保すること。
再エネなどの性急な導入は控え、
コスト・電気料金を削減して経済を回すべき。
「再エネ賦課金をまた上げる」と3月19日発表されたが、
気温を0.006℃下げるために、国民の生活を圧迫し
日本の経済産業力を落とすのは愚の骨頂。
 

日本が出しているCO2は世界全体のわずか3%で、
半減させてもその効果は地球規模ではほぼ0。
政府・マスメディア・教育機関による扇動で、
国民の多くが脱炭素の政策的な優先度を間違えてしまっている。
 
 

そして、神谷議員は次のような提案をしました。
 

環境保全や脱炭素に本気で取り組むのであれば、
CO2排出削減対策をしっかりとやった火力発電の
開発に力を入れるべき。
その技術を、火力発電に依存しているアジアの国々へ
提供していくことが重要。
 

「非政府の有志による第7次エネルギー基本計画」などを
参考にした新しいエネルギー政策が必要。
大きな予算を見込んだGX移行債の資金は、
電気料金削減やエネルギー安全保障強化に使うべき。

 
【国会 3/21】 国民が苦しむ中、税金を集め気温を0.006℃下げる必要があるか!?
 

これらについての見解を問われ、
次のような認識が答弁されました。
 

CO2排出削減に資する火力発電や原子力発電の活用は、
CO2排出削減・経済成長・産業競争力強化の同時実現に向け重要。
ガスタービンでのアンモニア専焼に関する技術開発、
次世代革新炉の技術開発などへの取り組みを推進していく。
非化石電源化だけではカーボンニュートラルは実現できず、
自動車・鉄・化学などCO2多排出産業の
脱炭素に向けた投資促進も重要。
 

世界では
戦略分野の投資を自国内で実現するための
産業政策が活発化している。
日本でも
電気自動車・グリーンスチール・グリーンケミカル・
SAF(持続可能な航空燃料)の分野で
国内投資を引き出していく。
戦略分野国内生産促進税制、
GX経済移行債を活用した投資促進策、
カーボンプライシングとの規制・制度を総合的に講じ、
世界での排出削減と経済成長に貢献していく。
 
 

従来と変わらない方針が繰り返されたのを受け、
時間が迫る中、神谷議員は
政策の優先順位について見解を問いました。
 

日本で喫緊の課題である人口減少、国民負担率上昇によって
国民が苦しんでる中、わざわざ税金を集めて
地球の気温を0.006℃下げる必要があるのか!?
 
 

鈴木財務大臣から出たのは次の見解。
 

自然災害の頻度が多くなっている。強力化している。
気候変動対策は優先順位としても高い。
 

日本のCO2排出量が全体の3%といえども、
半減しても0.006℃であるといえども、
国際社会の一員として気候変動対策を行うべき。
 
 

残念ながら時間が無くなり質疑を終えましたが、
「次の機会に」と神谷議員は食い下がり答弁を終えました。

 
 
詳細は動画をご視聴下さい。

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