2024.04.12
【党員の声】政府の少子化対策について(党調査公表)
政府は、2030年までを「少子化反転のラストチャンス」と位置付け、前例にない規模の少子化対策を実施することを宣言しました。
今後3年間で、3.6兆円の予算を投じて「加速化プラン」に集中的に取り組む方針です。
この政策に関して、参政党は、令和6年4月に党員とサポーター向けにアンケートを実施し、1328名から回答を得ました。回答者の男女比は6:4で、40代から60代が全体の80%を占めました。
政府の「こども未来戦略」に関して、大まかな内容を知っている割合は約3割にとどまり、3分の2以上が名前のみを知るか、全く知らないという結果でした。特に子育て世代の20-40代では、全く知らない人が3割を超え、名前だけ知っている割合も減少しました。
加速化プランに対する予算規模に関しては、半数近くが「非常に不十分」と回答し、不十分と考える人を含めると70%を超えました。特に20-40代では「わからない」と回答した割合が40%を超え、子育て世代への説明が不足していることがわかります。
少子化対策のために国民一人当たり月500円程度の負担増になることに8割以上が「非常に反対」しており、やや反対も含めると9割が反対しています。
(※なお、4月9日に出されたこども家庭庁の発表では、年収200万円だと月350円、年収400万円だと月650円、年収800万円だと月1350円、年収1000万円だと月1650円の負担となるとの試算が出されています)
このような「こども未来戦略」について、2030年までに少子化が反転すると思っている割合はわずか0.5%で、ほとんどが懐疑的な見方をしていました。
次に、少子化の原因について、若年層の経済的困難、婚姻数の減少(未婚率の増加)、晩婚化、女性の社会進出、食品や薬剤による健康・生殖機能の低下、その他の要因から重要なものを順に選んでもらったところ、最も重要な課題とされたのは、若年層の経済的困難であり、その割合は6割を超えました。
次に重要課題とされたのは、婚姻数の減少であり、その割合は4割でした。
3番目の要因としては、意見が分かれました。比較的多かったのが、晩婚化、婚姻数の減少で、食品や薬剤による健康・生殖機能の低下がそれに続いています。
その他の記載欄では、以下のような意見がありました。
経済的な視点からの意見:
不安定な雇用状況、老後の不安、教育費用の高騰などが子どもを持つことへの大きな障壁となっているという経済的な視点からの意見。
社会的支援不足に関する意見:
育児支援や保育施設の不足、社会全体での子育てへの理解不足など、子育てに対する社会的支援が不十分であるとの意見。
社会的な価値観の変化に関する意見:
個人主義の強化、結婚や子どもに対する価値観の変化など、社会的な価値観の変化が少子化を進行させているという意見。
政府の対応に関する意見:
政府の少子化対策への不信感や、政策の効果に対する疑問が強く、これが少子化問題の解決を妨げているとの意見もありました。
「これなら子供を産みたい」と思う施策を聞いたところ、「所得税減税」が最も支持された施策で、約7割の回答者が選択しています。また、20~40代の層では、「多子優遇の無利子ローン」が全体平均を上回る支持を得ています。さらに、「多子加算の児童手当」は男性から女性よりも高い支持がありました。一方で、「所得税減税」に対する女性の支持は男性より1割高く、「家族時間の確保」、「出産後の短時間勤務の継続」、「企業保育施設の義務化」についても、女性の支持が男性より1割高い結果となりました。
これらの施策は、世界各国で少子化対策として採用されています。
高校の無償化や、産休・育休中の収入保障、多子加算を適用した児童手当制度などは、現状、日本でも採用されていますが、北欧の国々では私立大学も含め無償化されているほか、収入保障も日本よりも手厚くおこなわれています。
企業保育施設義務化、出産後の短時間勤務は、韓国で採用された施策です。
家族との時間の確保(残業よりも早い帰宅を評価)の施策はドイツ、男子育休の義務化は、フランスで採用されています。
また、無利子出産ローン(3人産めば返済免除)、所得税減税は、GDPの約5%を少子化対策に充てていると言われるハンガリーで採用された政策です。