2024.05.15
本年四月二十八日実施の衆院補選(東京十五区)における政見放送の時間帯の在り方に関する質問主意書
令和6年5月14日付で下記の通り質問主意書を提出しました。
政府からの答弁があった際には、こちらに掲載いたします。
『本年四月二十八日実施の衆院補選(東京十五区)における政見放送の時間帯の在り方に関する質問主意書』
本年四月十六日に告示され同月二十八日に投開票された東京十五区における衆議院議員補欠選挙の政見放送について、テレビジョン放送は、以下の日時に実施された(以下「本件放送日時」という。東京都選挙管理委員会事務局ウェブサイト「政見放送及び経歴放送の予定」より)。
・NHKテレビ 四月二十五日(木)午前六時から同三十分
・フジテレビ 四月二十二日(月)午前四時二十五分から同五十五分
・ニッポン放送 四月二十二日(月)午前一時四十分から午前二時十分
一方、同日に行われた島根一区の補欠選挙のテレビジョン放送の日時は、以下のとおりである。
・NHKテレビ 四月二十五日(木)午前七時三十分から同五十分
・さんいん中央テレビ 四月二十二日(月)午後三時十五分から同三十五分
・山陰放送 四月十九日(金)午前十時三十分から同五十五分
さらに長崎三区の補欠選挙のテレビジョン放送の日時は、以下のとおりである。
・NHKテレビ 四月二十五日(木)午前七時三十分から同五十分
・長崎放送 四月二十一日(日)午後三時から同二十五分
・長崎文化放送 四月二十三日(火)午前十時五十一分から午前十一時十六分
候補者届出政党の候補者は公益のため、その政見を無料で放送することができる(公職選挙法第百五十条第一項)とされ、その放送の日時は「総務大臣が日本放送協会及び基幹放送事業者と協議の上、定める」(公職選挙法第百五十条第九項)と規定されている。
また、総務省所管の「政見放送及び経歴放送実施規程」(平成六年十一月二十九日自治省告示第百六十五号。以下「本件規程」という。)によれば、日本放送協会と基幹放送事業者があらかじめ政見放送の日時を定め、選挙管理委員会に通知しなければならないとされている(本件規程第十二条第一項)。
さらに、本件規程第十二条第二項には、「日本放送協会及び基幹放送事業者は、政見放送の予定の日時を定めるに当たっては(略)政見放送がなるべく効果的に行われるように、放送時間帯の決定について配慮しなければならない。」と規定されている。
以上を踏まえ、質問する。
一
本件放送日時を深夜の午前一時四十分、午前四時二十五分及び早朝の午前六時としたことは、本件規程にある「政見放送がなるべく効果的に行われるように、放送時間帯の決定について配慮しなければならない」との内容とどのような整合性があるのか、明らかにされたい。また、本件放送日時の決定について、総務大臣と日本放送協会及び基幹放送事業者が行った協議の回数、日時、場所、出席者及び協議の内容について開示されたい。
二
本件放送日時の通知は、誰が、いつ、誰に対し、いかなる形式で行ったか、それぞれの放送ごとに回答されたい。また、総務大臣が本件放送日時を知ったのはいつか、それぞれの放送ごとに回答されたい。そもそも総務大臣は、本件規程に沿って、政見放送及び経歴放送の実施について、その放映日時や回数等について放送事業者に対して具体的な指導を行ったことがあるのか。その指導について、事業者からの通知後に放送予定日の変更を求めたことがあるのか。以上について、具体的に指導を行った年月日と対象事業者、指導内容について明らかにされたい。
三
本件放送日時について、他の選挙区の放送日時と比較しても、一般的な視聴時間とは異なる深夜及び早朝の時間帯が選ばれたことは、東京十五区の多数の有権者が視聴するのに合理的な時間帯とは考え難く、候補者が有する政見放送の権利及び有権者がその政見などを知る権利を実質的に侵害する恐れがあるのではないか。この点について、日本放送協会及び基幹放送事業者が本件規程第十二条第二項に基づいて十分な配慮をしたといえるのか。
四
本件規程では、政見放送日時を決定する際の手続きには、日本放送協会及び基幹放送事業者が一方的に日時を決定できるとされており、これは、公職選挙法に規定された「総務大臣が日本放送協会及び基幹放送事業者と協議の上、定める」との要件と齟齬があると考えるが、政府の見解を示されたい。
五
本件放送が深夜一時台・四時台・早朝六時に実施され、大多数の有権者の視聴が著しく困難な時間帯であるのに、仮に総務大臣が本件放送日時に関し、日本放送協会及び基幹放送事業者に何ら指導や是正を行っていないとすれば、それは、総務大臣の職責が果たせていないと考えるが、政府の見解を示されたい。また、その原因は本件規程の不十分な取り決めにあると考えるが、本件規程の改正について政府は検討しているか示されたい。
右質問する。