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2024.05.15

我が国の排他的経済水域への中国による浮遊式障害物の設置に関する質問主意書

令和6年5月14日付で下記の通り質問主意書を提出しました。
政府からの答弁があった際には、こちらに掲載いたします。
 
『我が国の排他的経済水域への中国による浮遊式障害物の設置に関する質問主意書』
 
 中国が我が国の排他的経済水域(EEZ)に無断で設置した浮遊式障害物(以下「本件ブイ」という。)について、これまでに数次にわたり質問主意書を提出し、直近では、第二百十二回国会質問第一一八号(以下「本件質問主意書」という。)に対し、内閣参質二一二第一一八号(以下「本件答弁書」という。)が送付された。本件答弁書によれば、政府は、関係国が有する権利及び義務、我が国の国内法令等を踏まえ、本件ブイの撤去を含む可能かつ有効な対応を関係省庁間で連携して検討しているとのことであった。
 
 国会質疑においては、上川外務大臣が「あらゆる機会を捉えて、中国に対してブイの即時撤去を強く求めている」、「ブイの撤去や移動、我が国によるブイの設置を含む様々な対応について、関係省庁間で連携、検討し、可能で有効な対応を適切に実施していく」旨答弁したが、実際の政府による対応は中国側に対する申し入れにとどまっており、政府の対応策について解決に向けての具体的な進展は見られない。
 
 令和六年三月十八日、石垣市議会では、「尖閣諸島周辺の我が国排他的経済水域内に中国により設置されたブイの即時撤去を求める意見書」(議員提出議案第七号)が可決された。地元自治体は、政府が抗議するのみで具体的行動が取られていないことに危機感を募らせ、本件ブイの即時撤去を強く要求している。
 
 一方、中国の研究者が、本件ブイからの観測データを基に、平成三十年から令和二年の間に少なくとも四本の学術論文(以下「本件論文」という。)を発表し、本件論文は、他の研究論文にも引用されているという(令和六年三月十一日産経新聞)。
 
 また、本件ブイは、中国の観測ネットワークの一部として使用されており、ブイに搭載されたカメラやセンサーが、他国の侵入を察知した場合、中国当局に通報する目的や、中国潜水艦の航行支援に利用されているとの報道もある(同右)。
 
 このような状況下で、我が国の対応は抗議のみにとどまっており、具体的かつ有効な措置をとらないまま推移し、一方、中国は「サラミスライス戦術」と言われる手法で着々と領土、領海、領空への「実効支配」強化に向けた動きを進めている。このようなことが今後も続けば、国際社会において「中国が実効支配している」との主張が実質的に認められることに繋がりかねない。
 
 以上を踏まえ、以下質問する。
 
 
本件ブイ問題に対して中国との外交交渉の進展状況について、具体的に説明されたい。特に本件質問主意書の質問二、三、四について、その後の検討状況、その結論を明らかにされたい。既に具体的な対応措置を講じたのであれば内容を明らかにされたい。今後措置をとるのであれば、その内容を示されたい。
 
 
中国の研究者が本件ブイにより収集したデータを基に本件論文を発表したことは、中国側のブイ設置からその利用についての「正当性」を国際的に誇示することにつながると考える。我が国が本件ブイの撤去を行わず、また本件論文が他の論文にも引用される状況に対して何ら反応を示さないことは、国際社会で我が国が自国の領土、領海、領空を守る意思を欠き、中国の不当な主張を受け入れている、といった印象を広げる可能性があると考えるが、政府はどのように受け止めているか。また、こうした中国側の動きに対して具体的にどのように対応するのか。
 
 
政府はいかなる国際法が本件ブイ問題の解決には適用されると考えるか。そして、今後の本件問題の解決に向けて、いかなるロードマップを想定しているのか。そもそも、いつまでに解決するつもりなのか。具体的に明らかにされたい。
 
  右質問する。

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