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2024.05.24

【党員の声】外国人労働者について(党調査公表)

日本で働く外国人労働者の数は、去年10月時点で204万人となりました。これは、過去最高の数です。政府は、これまで「技能実習制度」を通じて人材育成と国際貢献を目指し、外国人労働者を受け入れてきました。しかし、新たに「育成就労制度」を導入し、外国人労働者の積極的な受け入れと日本の人手不足問題の解消を目指すとしています。このような受け入れは、非常に大きな社会変化を伴うことから、この方針に関して、参政党は、令和6年4月に党員とサポーター向けにアンケートを実施し、2212名から回答を得ました。回答者の男女比は6:4で、回答者の8割が40代から60代でした。

 

「技能実習制度」「特定技能制度」「育成就労制度」の3つの制度の認知度を聞いたところ、詳細について理解している人は少数であることがわかりました。技能実習制度については半数以上が大まかな理解をしていますが、特定技能制度と育成就労制度の認知はそれぞれ約4割と3割であり、育成就労制度については全く知らないと回答した人が3割にものぼりました。回答者は政治に敏感な党員・サポーターであることから、育成就労制度に対する認知の低さは、政府の説明が不十分であることを示していると言えます。

【党員の声】外国人労働者について(党調査公表)

 

「育成就労制度」について、この制度を支持するかを聞いたところ、9割近くが「支持しない」と答えました。

【党員の声】外国人労働者について(党調査公表)

 

外国人労働者の業務スキルや専門知識に関して、改善が必要であると答えた人の割合は、6割程度でした。また、改善すべき領域については、「文化的適応力の強化」「安全意識と規則遵守」「言語能力の向上」を挙げた人が多くいました。

【党員の声】外国人労働者について(党調査公表)

 

外国人労働者受け入れ拡大について、「無制限に受け入れるべき」「人数や職種をある程度限定して受け入れるべき」「人数や職種を厳しく限定して受け入れるべき」との選択肢を示したところ、9割弱の人が「人数や職種を厳しく限定して受け入れるべき」との意見でした。

【党員の声】外国人労働者について(党調査公表)

この点について、朝日新聞社が「人手不足社会」等をテーマに昨年行った全国世論調査(回答数1962)では、外国人労働者の受け入れ拡大方針への賛成が62%(反対28%)と、2018年11~12月の同調査と比べ大幅に増えたこと、外国人労働者と家族の「永住」を広く認めることに対しても、賛成57%が反対33%を上回ったことが公表されていますが、上記の通り、この結果は、党調査の結果と大きく異なります(※1)。

 

外国人労働者が増えることに対する懸念は何かとの問いに対しては、社会統合の困難、教育システムへの影響、地方政府への影響、社会保障費の増大、外国人の逃亡いずれについても大いに懸念があると答えた人が7割~9割でした。

【党員の声】外国人労働者について(党調査公表)

 

一方、労働人材の不足については、約半数の人が「非常に不足している」「やや不足している」と答えました。

【党員の声】外国人労働者について(党調査公表)

 

人材不足の原因について、「低賃金」と考える人が多く、「女性の社会進出の遅れ」は原因ではないと考える人が大多数でした。

【党員の声】外国人労働者について(党調査公表)

 

その他、日本人がもっと意欲を持って働けるような環境整備の必要性、労働力不足が顕著な職種に対する減税措置、そして日本人若者の知識や技能習得のための時間の確保と学費など経済的負担の軽減が必要だという意見がありました。

 

労働人材不足への対応案としては、「賃金の引上げ」や「景気浮揚のための財政出動」が必要であると考える人の割合が7割を超えました。

【党員の声】外国人労働者について(党調査公表)

 

その他、国内での労働力不足に対する対策が不十分であるため、それが外国人労働者の受け入れを増加させる要因となっているのではないかとの意見がありました。また、外国人受け入れ制度が曖昧で、明確なガイドラインや長期的な統合戦略が欠けており、実際の労働市場のニーズと政策の整合性が取れていないとの指摘もありました。そのほか、日本人労働者のスキルアップや再教育の機会不足により、特定の技能が必要な職種で外国人労働者への依存が見られるとの意見もありました。

さらに、移民の過剰受け入れが治安の悪化や文化・宗教の違いによる住民との摩擦を引き起こしているという懸念があるとの声のほか、外国の移民政策の失敗から学ばずに進める現政府の対応に対する疑念の声もありました。この他、経済成長を優先する政策ではなく、平和で安心して暮らせる社会を望む声もありました。

 

政府は人手不足から、過去にない規模で外国人労働者を受け入れる方針を進めていますが、移民の定義を明確にせず、移民の増加がもたらす社会コストの具体的な試算も行っていないと答弁しました(内閣参質二一二第四九号、内閣参質二一三第七三号※)。

最近のマスコミ報道によれば、少子化と人手不足の課題を抱える隣国の韓国が移民受け入れに本腰を入れ、日韓間で人材の奪い合いが激化するとの報道がされています。

しかし、以前から移民を受け入れていた欧米諸国では社会コストの増大を受け、移民流入を制限する方向に舵を切っています。このような現状を踏まえると、我が国においても、移民に繋がる外国人労働者の受け入れは、より慎重であるべきと考えています。

参政党は、引き続きこの点に対して、政府に問題提起を行っていきます。

【参考】

※1 人手不足、日本社会の現在地は 朝日新聞社世論調査

https://digital.asahi.com/articles/DA3S15926977.html?pn=4&unlock=1#continuehere

※2 参政党の質問主意書

https://www.sanseito.jp/question/

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