NEWS

2024.06.14

JCM(二国間クレジット制度)に関する質問主意書

令和6年6月14日付で下記の通り質問主意書を提出しました。
政府からの答弁があった際には、こちらに掲載いたします。
 
『JCM(二国間クレジット制度)に関する質問主意書』
 

 政府が提出した「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案」は令和六年六月十二日に成立した。
 我が国は、国際、国内の両面において、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向け、二〇三〇年度温室効果ガス四十六パーセント削減の実現と五十パーセントの高みを目指している。
 それに向けた施策の一つとして、「国際」面においては、脱炭素技術、サービス等の普及や対策実施によるパートナー国の排出削減に加え、我が国企業の海外進出や我が国の削減目標達成にも貢献する二国間クレジット制度(JCM)を推進している。
 
 JCMについては二〇二四年二月時点で、地球温暖化対策計画に目標として定める二〇三〇年度までの累積一億トン程度の国際的な排出削減・吸収量の確保を目指し、二十九の国との間でJCMパートナー国としての協力覚書に署名し、二百五十件以上の事業を実施している。
 政府はこのJCMの実施体制を強化するための規定を整備するとともに、地域脱炭素化促進事業制度の拡充等の措置を講じ、国内外で地球温暖化対策を加速するとしている。
 併せて優れた脱炭素技術等を活用し、JCMパートナー国における温室効果ガス(GHG)排出量を削減する脱炭素設備の導入事業を実施し、測定・報告・検証(MRV)を行う事業に対して、初期投資費用の二分の一を上限として補助を与えている。
 
 これらを踏まえ、以下質問する。
 

 主に東南アジアや、中南米で実施されている環境省JCM資金支援事業案件の中には、太陽光発電を用いた事業が多数含まれている。
 現在、太陽光パネルの約八割は中国で生産されているが、日本政府が補助を行っている対象者(国際コンソーシアム)の中に中国の法人は含まれているか。またその割合はどの程度か、現時点での実績を具体的に示されたい。
 

 東南アジアや中南米の国々では、現時点での火力発電が電力構成のうちの約五割から八割程度を占めている。これらの国々の温室効果ガス排出量の削減に貢献するためには、化石燃料を用いた火力発電の効率化が効果的であると考えられる。
 特に日本における、高効率の火力発電技術は、世界でもトップクラスであり、これまで世界平均と比べ、約二割の低炭素化をすでに実現しており、さらにSC、USC、IGCCなど、更なる低炭素化技術の導入が見込まれている。これら、高効率の火力発電設備を用いた事業は、設備の初期投資費用の補助など、日本政府により補助の対象となっている実績はあるか。対象となっていない場合は、その理由と、今後、対象とする計画の有無について明らかにされたい。
 

 JCMによる二〇三〇年までの累積排出削減・吸収目標を一億トン―CO2としているが、二〇二四年二月時点で約二千三百万トン―CO2となっている。今後、一億トン―CO2を目指して、どのようなJCM設備補助事業に対し、二〇三〇年までに累計でどれくらいの補助金を充てていく計画であるかを示されたい。
 

 JCM設備補助事業において、JCM設備補助事業ジェンダー・ガイドラインが策定されているが、政府からの補助金を申請する際には、このガイドラインへの準拠が必須の条件となっているのか。どの程度考慮に入れられているかを明らかにされたい。
 
右質問する。

BACK