NEWS

2024.07.19

食品ロスからバイオマス発電に!今後の地域への取り組みについて考える|堀江たまえ

愛知県岩倉市議会議員の堀江たまえです。
あなたが家庭で捨てている食品廃棄物が、地球環境に大きな影響を与えていることをご存知ですか?
 

世界では現在、年間約13億トンの食品が廃棄されています。また、日本での食品ロス量は523万トン、そのうち事業系では279万トンで、国民1人1日あたり約114g(ごはん茶碗一杯分の量)となっており、年間42kg(年間1人あたりの米の消費量約51kgに近い)が廃棄されています。
 

これは、地球の資源を無駄にするだけでなく、温室効果ガスの発生源にもなっています。
 

私自身も、ふと冷蔵庫の中を覗くと、賞味期限が切れた食品がたくさんあることに気付き、食材や材料を使わずして廃棄してしまったことに心が痛んだ経験があります。なぜなら、子どもの頃、「ご飯粒を残すと目が潰れる。」「米には神様が宿っているから、米の食べ残しをしてはいけない。」と教えられていたからです。
 

また、食べ物には人間の体を作り、活動を支える栄養としての価値だけでなく、生産に携わった人々の労力や自然の資源がたくさん詰まっています。
 

しかし、食べ物を粗末にしない、無駄にしないということを十分に理解していても、今すぐに、食品廃棄物を0にすることは大変困難です。そこで、発生した食品廃棄物をいかに有効に活用するかということが重要になってきます。その食品廃棄物問題解決に向けた取り組みの一つが、バイオマスエネルギーの活用です。
 
食品ロスからバイオマス発電に!今後の地域への取り組みについて考える|堀江たまえ
バイオマスエネルギーは、食品廃棄物などの有機物をエネルギーに変えることで、廃棄物を有効利用し、同時に再生可能エネルギーを生み出すことができます。先日、東海ブロック議員団で視察をさせて頂いた「バイオス小牧」の仕組みについて紹介します。
 

1. 食品廃棄物の収集と選別
市場や学校給食などから出る生ごみ、紙や割りばしが入っている食品廃棄物、スーパーなどから出るパック・包装材入りの食品廃棄物を集め、エネルギーに変換できるものを選別します。
 

2. バイオガスの生成
選別された廃棄物を微生物によって分解し、バイオガスを生成します。
 

3. エネルギーの供給
生成されたバイオガスを使って電力を発電し、地域社会や企業に供給します。これにより、廃棄物がエネルギーとして再利用されるのです。
 

4. 農家へ肥料の提供
メタン発酵残渣を有機肥料として、農家・生産者へ提供します。農作物は有機作物として販売され、消費者が安全なものを口にすることができるようになります。
※4については、まだ実現はできていません。
 

このプロセスにより、私たちは多くのメリットを得ることができます。
 

1. 焼却処分しか手段のなかった異物の混入した食品廃棄物をメタン発酵処理に受け入れることで、食品リサイクル率を向上

2. 埋め立て地の使用可能年数延長が可能

3. 太陽光発電以外の再生可能エネルギーを確保

4. 海外に頼らず地産地消型で肥料を確保でき、国内における安心安全な農作物の生産に寄与

5. 廃棄物処理にかかるコストも削減され、経済的なメリットを享受

 

食品廃棄物削減に向けた提言
最後に、食品廃棄物を減らしつつ、発生した廃棄物を有効に処理する取り組みを実現させるための提言をさせて頂きます。
 
食品ロスからバイオマス発電に!今後の地域への取り組みについて考える|堀江たまえ
1. 家庭での食品ロスを減らす
食品ロス削減に関する知識を身につけることが重要です。具体的には、必要な量だけ購入する、賞味期限・消費期限を確認する、食べ残さないなどの対策が有効です。
 

2. 地域の取り組みを理解する
地域のゴミ処理問題に関するプロジェクトや団体に関心を持ち、食品ロス削減に向けて意識啓発の状況、事業者への支援制度、食品廃棄物処理の体制等について、知識を深めましょう。
 

3. 情報・知識の拡散
知り得た情報や知識を多くの方々に提供し、話し合い、地域の現状や課題を分析して、解決策を検討するなど、住民の意識向上に取り組みましょう。
 

4. 自治体への働きかけ
地域の要望として、地元議員や自治会長等を通じて、市や町に様々な形で地域のごみ処理問題に関する意見を積極的に提案しましょう。
 

バイオス小牧と同じように食品リサイクル・バイオガス発電をしている企業は国内で9カ所あります。できた肥料の有効活用等、現時点においても課題はありますが、食品廃棄物が電気や肥料に変わるというメリットを最大限に活かすことができるようになれば、エネルギー問題や食品廃棄物問題を改善・解決する一つの選択肢になり得るのではないでしょうか。
 

堀江 たまえ
Horie Tamae
食品ロスからバイオマス発電に!今後の地域への取り組みについて考える|堀江たまえ
所属議会
岩倉市議会議員(愛知県)
 
経歴
愛知県立総合看護専門学校 第一看護科 卒業 生活介護 パプリカ 勤務

X(旧Twitter):https://twitter.com/KittyHorie
Facebook:https://www.facebook.com/profile.php?id=100004094333899
Instagram:https://www.instagram.com/tama_str.teiougaku/

BACK