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2024.11.08

市民の不安解消「防災対策」~要配慮者の個別避難計画~|西村しのぶ

皆さま、こんにちは
姫路市議会議員の西村しのぶです。
 
令和6年は元旦から能登半島地震という大きな災害から始まり、8月には、南海トラフ地震が発生する可能性が平常時より高まっているとして、初の「巨大地震注意」が出され、市民も不安な日々を過ごすこととなりました。
 
各自治体においても防災計画が策定されているところですが、私は2002年からケアマネジャーとして高齢者支援の仕事をしており、高齢者や障碍のある方から、災害時における対応についてのご相談を受けることが多くありますので、今回はケアマネジャーとしての経験や国の方針変更についてお伝えしてまいります。
 

ケアマネジャーとしての経験

市民の不安解消「防災対策」~要配慮者の個別避難計画~|西村しのぶ
実際、姫路市では約10年前には河川が危険水域に達したことで「高齢者等避難指示」が発出され、当時担当していた寝たきりのご高齢者の避難を支援させていただいたことがありました。
 
寝たきりの方は垂直避難(2階など高い所への避難)もできず、一般の避難所にも入れず、避難先を探すことが大変で、避難先が決まった後も移動方法はどうするのかなど、問題は山積みで、不慣れな人員でずぶ濡れになりながら避難していただいたことがありました。
 

防災計画における課題

市民の不安解消「防災対策」~要配慮者の個別避難計画~|西村しのぶ
400ページに及ぶ「姫路市地域防災計画」の中で災害時要配慮者に関する項目はわずか5行。
「避難生活が長くなり高齢者や障碍者に特別な配慮が必要となった場合、福祉避難所(※)を設置する」とだけ書かれていました。
※福祉避難所とは、施設やホテルなどを使用し、必要なケアが受けられる避難所です。
 
また、令和3年5月に内閣府において福祉避難所の確保運営ガイドラインが改定され、指定福祉避難所の指定を促進するとともに、事前に受入対象者を調整して人的物的体制の整備を図ることで災害時の直接の避難等を促進し、要配慮者支援を強化するという趣旨が示されていますが、現在の計画ではいったん一般の避難所に避難した後、必要な方は保健師等の判断で福祉避難へ移動するという形がとられているとのことでした。
 

原因と対策

市民の不安解消「防災対策」~要配慮者の個別避難計画~|西村しのぶ
避難に特別な配慮が必要な方が、福祉避難所へ直接避難する仕組みができていない原因は「個別避難計画」の策定が進んでいないことにあると考えます。
介護が必要な高齢者であっても、障碍者であっても、すべての人が福祉避難所への避難が必要ではありません。
人それぞれ状態も違えば家屋の状況、家族の状況など全く違ってきます。
だからこそ、平常時から要配慮者の方を一番理解している福祉専門職が地域や防災担当と連携して個別に避難計画を立てておくことが非常に重要です。
 

最後に

しかしながら、この「個別避難計画」も全くといっていいほど進んでいないのが現状です。
 
令和6年度第3回定例会ではこの件について質問し、福祉専門職にも「個別避難計画」の策定に積極的に参加していただくための「防災と福祉の連携による個別避難計画作成促進事業」が始まり、福祉専門職へは個別避難計画作成1件につき7000円の報酬が支払われることが周知されることになりました。
 
今後も高齢化が進む中で、議員であり、福祉専門職である私自身もしっかりと参画し、ご本人、ご家族、地域みんなが災害時への不安を解消できるよう努めてまいります。
 

西村 しのぶ
Nishimura Shinobu
市民の不安解消「防災対策」~要配慮者の個別避難計画~|西村しのぶ
所属議会:
姫路市議会議員(兵庫県)
経 歴:
兵庫県歯科医師会付属兵庫歯科衛生士学院 卒業
株式会社ひかり 代表取締役
 
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Facebook:https://www.facebook.com/careplan.hikari
ホームページ:https://www.nishimura-shinobu.com/

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