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2024.11.28

外国で取得した運転免許証の切替制度の見直しに関する質問主意書

令和6年11月28日付で下記の通り質問主意書を提出しました。
政府からの答弁があった際には、こちらに掲載いたします。
 
『外国で取得した運転免許証の切替制度の見直しに関する質問主意書』

提出者 吉川里奈

   
外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替える制度(以下「外免切替制度」という。)を利用して我が国の運転免許証を取得した外国人が、交通事故を起こす事例が発生している。これらの中には、我が国の言語や交通法規を十分に理解せず、安全に運転する能力を持っているか疑わしい事例も見受けられる。
  
令和六年八月、山梨県富士河口湖町において、観光で訪れた中国籍の二十七歳の女性がレンタカーを運転中、赤信号を無視して交差点に進入し、横断歩道を渡っていた六十代の中国籍の男女二人をはね、死亡させる事故が発生した。また、同年九月には、埼玉県川口市の交差点で、中国籍の十八歳の男性が飲酒のうえ一方通行を時速百キロ以上で逆走し、別の車に衝突した。この事故では、五十一歳の日本人男性が死亡するという悲惨な結果となった。
  
さらに、富士山周辺や観光地でも、外国人が運転するレンタカーによる事故が相次いでいるとされる。これらの事故の背景には、観光地特有の複雑な交通事情や、日本の交通ルールへ不慣れであることが要因として挙げられる。このような状況は、外国人ドライバーの交通安全に関する啓発や外免切替制度の仕組みの見直しが必要であることを示している。
  
現状では、外免切替制度により、外国の運転免許証を持つ外国人が比較的簡単な手続で日本の運転免許を取得できる状況にある。「十問の〇×式の知識確認試験を受けるだけで運転免許が取得できる」という情報が広まる中、外国人からの免許切替え申請が増えていると報じられている。
  
外免切替制度の根拠法令は、道路交通法第九十七条の二第三項及び道路交通法施行令第三十四条の四に基づいている。これによれば、「公安委員会は、政令で定めるところにより、その者が受けようとする免許に係る自動車等を運転することに支障がないことを確認した上で、運転免許試験の一部を免除することができる。」と規定されている。また、確認方法として「道路の交通の方法その他の自動車等の運転について必要な知識若しくはその者の自動車等の運転に関する経歴に関する質問」または「その者に自動車等の運転に関する実技をさせること」によるとされている。
  
警視庁ウェブサイトによれば、外免切替制度の知識確認試験は二十四言語に対応しており、日本語以外の言語でも受験可能である。しかし、この知識確認試験は十問の〇×式問題であり、一部の国や地域では知識確認及び技能試験が免除されるなど、運転免許取得の基準が緩やかであることが課題である。
  
こうした状況下において、交通法規や道路標識を十分に理解しないまま日本の免許を取得した外国人ドライバーが、我が国の道路交通事情に適応できず、安全に運転する能力を欠く可能性が懸念される。特に、外免切替制度の対象となる国の中には、運転免許取得の難易度が日本よりも低い地域もあり、その結果、交通事故の発生リスクが高まるおそれがある。
  
これにより、安全運転能力を持たない外国人ドライバーの増加が、外国人による交通事故の多発を招くのではないかとの懸念が広がっている。
  
以上をふまえ、質問する。
  
一 
政府は、外免切替制度の運用状況をどのように評価しているのか、また現行の基準が日本の交通事情や安全確保の観点から適切であると判断しているのか、その理由を具体的に説明されたい。
  
二 
外免切替制度について、我が国の道路交通事情や言語に即した知識確認試験を実施すること、または実技試験を必須とするなど、基準を厳格化することで、外国人ドライバーによる交通事故の防止を図るべきと考える。これに対する国の見解とその理由を明らかにされたい。
  
三 
日本国内の道路標識や案内、緊急車両の音声等がすべて日本語で行われている現状において、日本語の理解能力が十分でない外国人が安全に運転することは難しいと考える。したがって、日本語能力を外免切替制度の要件とする法改正の必要性について、国の見解を明らかにされたい。
  
四 
外国人ドライバーが任意保険に加入していない場合、交通事故や違反発生時に母国への帰国によって責任追及が困難になる懸念がある。住居所の確認の厳格化や任意保険加入の義務付け等の措置を講ずるべきと考えるが、国の見解を明らかにされたい。また、これらを導入することで想定される効果及び課題についても説明されたい。
  
右質問する。

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