2024.12.06
投票所における本人確認に関する質問主意書
令和6年12月5日付で下記の通り質問主意書を提出しました。
政府からの答弁があった際には、こちらに掲載いたします。
『投票所における本人確認に関する質問主意書』
提出者 北野裕子
昨今、銀行口座開設時等の本人確認手続においては、顔写真付き身分証明書、または顔写真のない保険証及び住民票等併せての提出が求められる場面が多く、個人を特定するための情報管理の徹底が求められている。
各投票所においても、投票所入場券と顔写真付き身分証明書や保険証及び住民票等(以下、本人確認書類という。)の提出を求め、確実な本人確認が実施されることが好ましいと思料されるが、現行の公職選挙法等において各投票所における本人確認書類の提示を義務化するに至っていない。
総務省から各都道府県選挙管理委員会委員長宛ての選挙時報(令和四年七月二十五日付け及び令和六年十一月二十五日付け発行)には、「期日前投票システム上等で投票済でないことの確認を行う」こと、投票用紙交付の際「当該選挙の選挙権を有する者であることを十分確認すること」、投票所に入場券を持参しない場合は本人確認書類の提示及び住所等により本人確認を徹底すること等の記載がある。しかし、各自治体の選挙管理委員会による投票所の運用にばらつきがあり、投票所入場券の氏名を読み上げ、「本人に間違いないですか」という口頭による確認のみを行っている投票所も確認されている。本人確認が不十分であるために不正な投票が行われると、その基礎にある参政権ひいては国家主権をゆるがしかねない。我が国においても、国の行く末を決める重要な国政選挙において、投票所における本人確認を徹底することは重要であると考える。
以上を踏まえ、質問をする。
一
過去に二重投票やなりすまし投票等防止のため、本人確認書類提示の義務化等を政府として検討したことがあるか。あれば、その具体的な検討内容、議論の経緯及び最終的に改正が実現しなかった理由を示されたい。
二
令和六年十月二十七日執行の第五十回衆議院議員総選挙及び第二十六回最高裁判所裁判官国民審査において、神奈川県綾瀬市の選挙管理委員会で、投票権のない外国籍市民に誤って投票用紙が交付され、投票は有効投票として処理された。また、その後に来訪した有権者も投票を行った事実がある。
1 前記事案において、外国籍市民に対する投票用紙誤交付が発生した具体的な原因と再発防止策について、政府としてどのように把握し、対応したのか明らかにされたい。
2 当該外国籍市民が投票に至った動機や経緯について、政府は調査を行ったか。その有無と調査結果について具体的に示されたい。
3 誤交付された投票が有効票として処理されたことについて、政府としての評価と考えを明らかにされたい。
三
衆議院総選挙及び参議院議員通常選挙それぞれ過去十回分において、公職選挙法第二百三十七条違反(詐偽投票及び投票偽造、増減罪)で有罪となった判決の件数を可能な限り示されたい。また、当該判決が選挙制度や選挙管理業務に与えた影響について、政府としてどのように評価し、対策を講じてきたのか、その具体的な方針を示されたい。
四
現行法に基づく投票時の本人確認が不十分であることへの指摘がある中、政府として、投票日当日における本人確認書類の提示を義務化する法改正等の必要性についてどう受け止めているか。これを検討する上での課題や障壁について具体的に示し、政府の見解を示されたい。
右質問する。