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2024.12.09

教員の長時間労働の解決と待遇改善の方針に関する質問主意書

令和6年12月9日付で下記の通り質問主意書を提出しました。
政府からの答弁があった際には、こちらに掲載いたします。
 
『教員の長時間労働の解決と待遇改善の方針に関する質問主意書』

提出者 神谷宗幣

 
 令和七年度予算の策定に際し、教員の長時間労働の解決と待遇改善に向けた議論が行われている。教員の労働環境の改善は長年の課題であり、不登校や自殺者数の増加、少子化といった社会課題とあいまって、早急な解決が求められている。教育の在り方そのものの見直しも重要であるが、教員が教育に専念できる環境を整えることは喫緊の課題である。
 
 文部科学省初等中等教育局が公表した「教員勤務実態調査(令和四年度)の集計(確定値)について」(令和六年四月四日)によれば、教諭の一日当たりの在校等時間及び持ち帰り時間の計は、小学校教諭が平日は十一時間二十三分、土日は一時間十二分、中学校教諭が平日は十一時間三十三分、土日が三時間七分となっている。また、過労死ラインの月八十時間超の残業時間に相当する一週間当たりの総在校等時間が六十時間以上の教諭の割合は、小学校で十四・二%、中学校で三十六・六%に上る。
 
 授業準備や保護者対応、行事対応といった多忙な業務を多数抱える中、教員が適切な業務量で働くには、授業の持ちコマ数の削減と教職員定数の増加が不可欠である。
 
 しかし、文部科学省が令和七年度概算要求に盛り込んだ教職員定数増加案(約七千七百人)は、財政制度等審議会財政制度分科会(令和六年十一月十一日)における財務省資料には盛り込まれていない。このままでは長時間労働の問題の解決は困難である。
 
 少子化に伴い、子供たちが将来発揮することを期待されている能力水準が高まる中、教員の労働環境の改善は不可欠であり、教員の長時間労働を前提とした制度の早急な改善が必要である。
 
 以上を踏まえ、質問する。
 
 
現状の教員の労働環境において、過労死ラインを超える残業時間が常態化している問題について、教職員定数を増員せず「働き方改革」や事務職員増員のみで対応する場合、教員一人当たりの残業時間がどの程度減少すると見積もっているのか、根拠とともに示されたい。
 
 
「働き方改革」や事務員増員の取組を実施した後でも、教員の平均残業時間が教職調整額で想定される時間を大幅に超える場合、教職員定数の増員が不可避であると考えるが、政府の見解を示されたい。
 
 
現状、教員の過労死ラインを超える残業時間が常態化している中で、教職員定数を増員しない場合、過労死ラインを下回る残業時間をどのように実現するか。具体的な施策について、実施可能性を含め、示されたい。
 
 
教職員定数の増員が行われないことで、教育の質の低下や児童・生徒への影響が生じる可能性についてどのように評価しているか示されたい。また、そのリスクを回避する具体的な手立てを示されたい。
 
 右質問する。

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