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2024.12.20

GIGAスクール構想(一人一台端末)の弊害等に関する質問主意書

令和6年12月20日付で下記の通り質問主意書を提出しました。
政府からの答弁があった際には、こちらに掲載いたします。
 
『GIGAスクール構想(一人一台端末)の弊害等に関する質問主意書』

提出者 神谷宗幣

     
 国は、令和元年十二月にGIGAスクール実現推進本部を設置し、一人一台端末及び高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備する「GIGAスクール構想」を推進しており、教育現場でもiPadなどのデジタルデバイスが導入されている。この取組は、ICTを活用して全児童生徒が公正に教育を受ける権利を享受し、情報化社会で必要なスキルを身につけることを目的としているとされる。
 
 しかし、導入から五年が経過し、デバイス更新による財政圧迫、学力の低下、心身の疲労、動画やゲーム依存、SNS利用による犯罪リスクなど多くの問題が浮上している。これを受けて、GIGAスクール構想の効果と弊害を再検証し、対象児童の範囲、カリキュラム、デバイスの活用方法、紙媒体への回帰を含むICT教育の見直しを検討する時期に来ているのではないか。
 
 海外では、デジタル化からの脱却を進める国も現れている。例として、スウェーデンは方針を変更し、令和五年八月の新学期からは紙媒体に戻し、デジタルデバイスの使用時間を削減している。この背景には、デジタルツールは子供の教育に害悪であり、画面を用いた学習は読解力や記憶力を低下させ、インターネットを利用する生徒の学習成果が従来の学習方法を用いる生徒に比べて明らかに劣っているとするカロリンスカ研究所の報告があるとされる。国内でも、仙台市教育委員会及び東北大学が行った「学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト」の調査結果により、通信アプリの使用時間の長さが直接的に成績を下げる方向に作用している可能性があることが判明している。
 
 教育は、単にICTの活用やスキル取得だけを評価するのではなく、児童生徒の基礎学力の向上や、生活態度、心身発達への影響にも配慮して行う必要がある。この観点から、低年齢・低学年におけるデジタルデバイスの導入や使用時間などを見直し、インターネットやSNSに過度に依存しないようネットリテラシー教育も徹底する必要があると考える。
 
 以上を前提に、以下質問する。
 
 
GIGAスクール構想に基づく一人一台端末により生じる児童生徒への弊害として指摘されている以下の項目について、調査したか示されたい。調査した場合はその内容を示されたい。
 

 1 学力の低下

 2 動画やゲームへの依存による生活習慣の乱れ

 3 視力低下や精神疲労など心身への負担や影響等

 
 
一人一台端末によるICT教育を開始する学年・年齢及びその教育内容を決定した根拠・理由を示されたい。
 
 
海外の事例も踏まえ、ICT教育の開始時期や教育内容の見直しが必要ではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。また、見直しが必要との見解の場合、その検討状況を示されたい。
 
 
児童に対するネットリテラシー教育の内容及び学習時間を学年ごとに明らかにされたい。
 
 右質問する。

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