2023.07.19
疑うってどういうこと?|岡川大記
皆さん、こんにちは。
世田谷区議会議員の岡川大記と申します。
皆さん、「世の中を疑って見ましょう!」
ということを一度は言われたり聞いたことはありませんか?
「「疑え!」と言われてもよくわかりません」
「疑っているつもりだけど、よく考えると誰かの意見に乗っかっているだけだなぁ」
などのように伺うことがあります。
そうです。
健全に「疑う」ことは、意外に難しいことだということです。
私は社会人教育を生業としていますので、
経営者やビジネスマンの方から
疑い方がよくわからないという感想も頂きます。
今日はそんな知的好奇心の高い方向けに
普段当たり前に使っている言葉である
「権力」について堀り下げながら、
「疑うってどういうこと?」
について考えてまいります。
それでは、突然ですが問題です。
「権力はどのようにしてうまれるのでしょうか?」
出来れば、考えて下さいね。
さてここで、疑わない人はどのように考えると思いますか?
疑わない方はすぐに「どのように?」の答えを考え始めます。
しかし、疑う人は初めに
「問いは正しいのか」
「問いの本質は何か」
を考えます。
さらにいうと、
なぜ今この問いが生まれたのか?
私達に何を考えさせたいのか?
という背景まで考えます。
問いの意味や背景があいまいな状態では深い考察は出来ません。
※背景については、本日は取り上げません。
でははじめの問いである
「権力はどのようにしてうまれるのでしょうか?」
を答えるためには、まずはじめに、
「権力とは何か?」
「権力の本質とは何か?」
を考えるということです。
それでは、私達が縛られている権力についてまずは具体的に考えてみましょう。
例えば、
① 法律、規則、ルールなどの文書化された決まり事
② 倫理、道徳、常識などのふわっとした暗黙の決まり事
③ 理想の生き方などの妄想や洗脳
④ 資本主義や民主主義という枠組み
などなど、挙げだしたらきりがなく、
私達の生活のすべては権力に縛られているとも言えます。
議員として活動していても、権力はどこにでも感じることが出来ます。
例えば、一つ例に取ると、
都内18人の参政党の所属議員にヒアリングして、
他区との仕組みの違いを聞いて驚いたことの一つに、
会派(※)の人数によって壇上での質問時間や意見を言う時間などが自治体ごとに違ったという点です。
※会派:議会内で活動を共にしようとする議員のグループ。参政党は70~80%は一人会派もしくは、会派を持たないグループなどに属しています。
これは、自治体による権力者の現状の意見と歴史の積み上げの相違であり、
民主主義の在り方を議会がどのように考えるのかによって違いがあります。
他にも、世田谷区は一人あたりの壇上での質問時間は10分なので、
壇上で質問をするときには、10分のカウントダウンタイマーに
心を捉われてしまいます。
また、区民の方とお会いしてお話をする時でも、
公職選挙法上の買収にならないように気を付けなければと
緊張感を常に持たされております。
このように普段の活動を少し振り返るだけでも、
ルールや決まりごとなどの権力の輪の中にいることがわかります。
少し話は変わりますが、
私はよく「公人と私人」について考えます。
なぜそんなことを考えるのかというと、
私たちはとても弱い存在なので、
自分で自分を律する必要があるからです。
議員は公人ですが、公人の臨場感が低いので、
公人の意味を深く理解し体得しなければ、
私人の部分がすぐに顔を出します。
だからこそ、公人としてどうするべきかを深く考えることで、
自身の価値観を更新する必要があります。
このように、権力とは誰かが作るだけではありません。
自身に対してルール(権力の下位概念)を作ることが出来ます。
逆に言うと、自分にかけたルールを捨てる(緩める)ことも出来るということです。
ともすれば、私達の常識というものがどのようにして作られたのか?
今当たり前だと思っていることがなくなったらどうなるのか?
そういう考え方が出来るようになれば、
健全に常識を疑い、世の中を俯瞰してみることが出来ているのではないでしょ
うか。
私達が常識だと思っていることは、人類誕生地点ではほとんどなかったでしょう。
でもどこかで生まれ、後世に残すために言語化されたのであれば、
言葉を健全に掘り下げれば本質に辿り着ける可能性があります。
参政党として、問いが立ったら、
① 問いを健全に疑う。
② 問いの本質を考える。
③ 問いの背景を考える。
④ 問いを俯瞰して構造を考える。
⑤ 問いの答えを考える。
例えば、LGBT理解増進法についての意見を聞かれたら
① LGBTとは何か、性別とは何かを考える。
② LGBT理解増進法とは何かを考える。
③ LGBTの歴史を考える。
④ 何故、LGBT理解増進法が今の時期に出てきたのかを考える。
⑤ 法律と条例と憲法の関係性を考える。
⑥ 法案が通った後の社会のメリットデメリットを考える。
こういう思考が、私達の政治参加の始まりになります。
国民参加の国民運動を起こす参政党だからこそ、
党員が健全に疑う目を持って、常に自己成長に向き合う。
そんな強い集団であり続けたいと考えています。
では最後に、「権力」はどのように作られるのか?
結論、
権力とは虹のように言葉で作られる。
手に取ることは出来ませんし、
見ようとしなければ見ることも出来ません。
しかし、雨のあとのように何か問題があった時には
はっきりと見ることが出来る。
私の言葉でまとめるとこんな感じです。
もう少しお伝えしたいですが、あとは想像してくださいね。
「人の意見をコピーするのではなく、自分で考える。」
以上が私のキャッチコピーにもしている
「全世代教育」の根幹です。
—
岡川 たいき
Taiki Okagawa
所属議会
世田谷区議会議員(東京都)
経歴
京都産業大学経済学部 卒業
株式会社TIPPING POINT 経営
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