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2023.09.21

中学校の歴史教科書の問題|若松ひろし

令和5年9月5日、八千代市議会の一般質問で、私は「中学校の歴史教科書の問題」を取り上げました。
議員になる以前から、民間で教科書問題について取り組んで来た私にとって、ようやくこの問題に一つの区切りをつけることが出来、深い感慨を覚えています。

 

参政党の三つの重点政策の一番目に掲げられているのが子供の教育です。
そして、その中の細目に、「国や地域、伝統を大切に思える自尊史観の教育」とあり、そのために“正しい歴史教科書”が学校現場で使用されることは、必須条件と言えるでしょう。

中学校の歴史教科書の問題|若松ひろし(図:参政党の重点政策の第1に掲げられている「子供の教育」)

 

しかしながら、文部科学省の検定に合格した中学校歴史教科書は、現在8社存在するため、どれがより「国や地域、伝統を大切に思える自尊史観の教育」の趣旨に沿っているかを判断するには、かなり高いハードルが求められるのです。

 

例えば、縄文時代の記述について比較調査するだけでも、全社の教科書をそろえ、それぞれの記述箇所を探し出し、比較表にまとめます。それを一つ一つのトピックごとに全て調査していかねばならないのですから、膨大な作業を必要とするのです。

 

また、比較調査する者が“正しい歴史”を深く理解していなければ、そもそもこの比較調査は成り立ちません。このように、私たちの前には、途方もない高いハードルが立ちはだかっているのです。

 

とはいえ、私は、子供の教育に関心を持つ皆さんと一緒に、何年もの時間をかけて、歴史教科書各社の比較調査を行って参りました。
そして、この結果をできるだけ簡潔にまとめたのが、「各社教科書項目別比較表」です。尚、以下の比較表はご自由に拡散して下さい。

 

 各社教科書項目別比較表

 

以下、「各社教科書項目別比較表」をご覧いただきながら、今回の私の一般質問のやり取りの一部をご紹介します。

 

八千代市は、令和2年9月議会において、請願第5号『次期中学校教科書の採択に関する件』を可決しました。
その要旨は、次期中学校歴史教科書の採択において、教育基本法の中にある「伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛するとともに、云々」と、中学校学習指導要領の総則ある「伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛し」と明記されている。したがって、これらに即した中学校歴史教科書の採択を願うというものでした。

 

しかし、その請願が可決したにも関わらず、同年に採択された歴史教科書には、以下のような問題点が見られたのです。

 

例えば、稲作の伝来について、八千代市で採択された教科書では、朝鮮半島から日本列島に伝わったという記述になっています。
しかし、最近の学説では、稲作が長江下流域から直接伝来したという説が有力となっており、朝鮮半島からの稲作の伝来に固執する必要はありません。

 

次に、聖徳太子の外交について、八千代市で採択された教科書では、当時の中国(隋)から進んだ文化を取り入れようとして遣隋使を派遣したような記述となっていますが、隋の皇帝にあてた有名な国書に、「日出づる処の天子、書を日没する処の天子に致す。恙無きや」と書かれている通り、日本は隋に対して対等の立場を宣言し、決して服属しないという決意を表明している点を強調すべきではないでしょうか。

 

また、琉球について、八千代市で採択された教科書では、九州からの移住者等があった事実に触れていません

これは、明らかに大切な事実を隠ぺいしています。琉球は、古来より九州からの移住者等があった事実を記すべきであり、裏を返せば近年の沖縄の帰属問題にあえて誤解を与えようとする意図さえ感じます。

 

そして、韓国統治について、八千代市で採択された教科書では、「日本の植民地政策」と記述されています。

この記述は、まさに参政党の掲げる「国や地域、伝統を大切に思える自尊史観の教育」とは真逆の歴史教観を子供たちに植え付けるような誤った教育の最たるものです。

 

日本の韓国併合は、欧米列強の国々が行った植民地支配とは、全く異なります。日本は、朝鮮に総督府を置き、鉄道・灌漑施設・学校・病院・工場などインフラ整備を行いました。さらに、学校では、日本語教育とともにハングル文字を導入した教育を行いました。
こうした歴史的事実をなぜ記述しないのか不思議でなりません。

 

この他、八千代市で採択された教科書では、1919年(大正8年)、日本は第一次世界大戦後のパリ講和会議の国際連盟委員会において、世界で初めて人種的差別撤廃提案を行ったという歴史の事実が書かれておらず、日本の人種平等の精神を全く伝えていないのです。

 

戦後、日本の歴史観は、極東国際軍事裁判(東京裁判)によって大きく塗り替えられました。
特に、戦勝国であるアメリカが広島・長崎への原爆投下や東京大空襲など、無辜の日本国民を大量虐殺した事件から目をそらせるために、日本軍による「南京事件」などの大量虐殺事件を捏造しなければならなかった背景を忘れてはなりません。

 

以上のような私の質問に対し、教育員委員会の答弁は、「次期採択においては,子どもたちにとってよりよい教科書を選定するため、文部科学省の教科書検定を経た教科書に関して、千葉県育委員会の使用科用図書選定資料を基に調査研究を実施してまいります。また、文部科学省の通知に『教科書発行者限らず、外部からのあらゆる働き掛けに左右されることなく、静ひつな環境を確保し、採択権者の判断と責任において公正かつ適切に行われるように努めこと』とあります。今後も、教科書採択おける公正確保の徹底に努めてまいります」というものでした。

 

ここでいう静謐(せいひつ)な環境とは、一体何でしょうか?
外部の意見を無視することでしょうか?
国民に情報を公開せず秘密のうちに誤った歴史教育を進めることでしょうか?
何故教育出版の教科書の採択に至ったのか、これまでの答弁ではまったくその根拠が釈然としません。

 

教科書の本質とは、使い勝手とか製本の良さとかではなく、何が書かれているかが最も重要な要素です。
「従軍慰安婦」とか「南京大虐殺」とか、事実無根の歴史を教え、子供に日本が嫌いになるような心を植え付けるのが「教育基本法の精神」でしょうか?

 

「吉田松陰の生き様」とか「杉原千畝と並んで多くのユダヤ人を救い『ゴールデンブック』に記載されている樋口季一郎の話」とか「トルコのエルトゥールル号の遭難事件と串本町民の話」とか「パラオ島民の命を救い、散っていった旧日本軍の話」とか、教えるべきことは山ほどあります。

 

私は、政治家であると同時に、子を持つ親の一人として訴えたい。

 

子供たちが祖国日本に対して誇りを持てない、お爺さん、お婆さん、お父さん、お母さん、ご先祖様への感謝の気持ちを持てない、そして、若者が日本の将来に希望を持てない、不登校児童が増え、学級が崩壊し、若者の自殺者が増えて行く現状。それらの原因の一つが、子供たちに自己肯定感を与えるような日本の正しい歴史を教えてこなかったことにあるのではないでしょうか?

 

人生につまずいた時、先人の知恵や教えが必ず心の支えになります。我が国には、素晴らしい歴史上の先人達が数多く存在しています。それは、歴史を学べば学ぶほど知ることが出来ます。それを単なる年代を記憶するだけの授業にしてしまってよいものでしょうか?

 

世界最長、そして世界で唯一、二千年以上も続く日本の歴史の素晴らしさを記述する歴史教科書の採択を願って、今回のブログを書かせていただきました。

 

若松ひろし

中学校の歴史教科書の問題|若松ひろし

 

所属議会
八千代市議会議員(千葉県)

 

経歴
妻と子供4人の6人家族。八千代市に暮らして28年。
平成9年にIT会社を設立し、代表取締役に就任。
ITで企業の業務改善に長年取り組んで来た経験と実績を活かし八千代市の諸問題を解決します!

 

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