2023.12.11
【国会 12/7】 政府と日銀で方針を一致させ、お金が使える状況を
令和5年12月7日、神谷宗幣 参議院議員が
財政金融委員会で国会質疑を行いました。
植田日銀総裁への初の質問、そのポイントは…
・「いつ、どうなれば、どこに向け舵を切るのか?」
を政府も日銀も示してくれないので、
企業も国民もどうして良いのか分からない。
・賃上げと2%の安定したインフレ状態をつくるには、
経済をまわし需要をつくらなければならない。
・しかし、減税は中途半端、
積極財政は対象が軍事・脱炭素で国民の投資を喚起しにくい。
・「ここに投資したら、社会が良くなりお金も増える」
という明確な指針を出してもらいたい。
動画はコチラから視聴できます。
https://youtu.be/Ivll8k48fIg
神谷議員はまず植田日銀総裁に対し、
「金融緩和の継続」についての質問から始めました。
”しばらく確実に継続” なのか?
”利上げを検討している状態の継続” なのか?
昨年11月も現在と同じく急激な円安が進み、相場は1ドル145円程度。
この同様の状況で行った「金融緩和の継続」において
当時の黒田総裁が述べた理由は「経済の回復が十分ではない」でした。
それを踏まえ、返ってきた答弁は…
「2%の物価安定の目標の持続的・安定的な実現を
十分な確度をもって見通せる状況にはなお至っていない」
「(金融緩和政策を変えるのは)その安定目標の実現が
十分な確度をもって見通せる状況になった時」
つまり、”もう少し状態を見ながら金融緩和を継続する”
と受け取れるものでした。
次は副大臣に対して質問しました。
来年6月の所得税減税以外に、
他の減税等は何も検討されていないのか?
国民が「お金を使おう」と思える減税政策が必要…
今やらずにいつやるのか?
これまで一貫してきた減税政策への要望を改めて強調しました。
それに伴い、現状を次のように分析しました。
金融緩和している内に日本経済の需要を喚起できないと、
中小企業や国民の資金がショートし、極度な円安の中で
また外国資本に色々なものが買われてしまう。
それなのにインボイス導入などステルス増税をして、
国民はお金を使いたくても使えない。
要望に対する回答は、
需要喚起の重要性には同意が得られたものの、
与党の税制調査会において議論がなされている
など具体的なコメントは得られませんでした。
また、神谷議員は、「積極財政で需要をつくる」という
やはり一貫してきたこの要望を改めて伝え、
国民の消費行動を大きく変える財政出動について
政府の考えを問いました。
質問とともに、政府の政策について問題を指摘し、
『食料自給率を引き上げる一次産業支援』『教育子育てクーポン』
などの案を例として紹介しました。
【指摘】
①需要をつくることがスタートアップを誘発するのであって、
スタートアップ支援が経済を活性化するのではない。
②防衛費拡充・GX投資では、国民の生活には結びつきにくい。
【参政党 案】
①国内生産物を政府が買い取って、安価で国民に供給する。
減少している食料自給率を倍の70%を目標にし、
一次産業の支援をする。
こうした政策は欧米では行われているものである。
②『教育子育てクーポンもしくは電子ポイント』を提供する。
所得制限はかけず、0〜15歳の子供に月10万円、
用途は食費・医療・習い事・不登校の学費など。
有効期限を1年間とすることで、貯蓄に回らないようにする。
試験的に5年間やって経済効果や出世率に変化がなければ
廃止・停止・変更など柔軟に行えば良い。
この予算は1年で14兆円・5年で70兆円
(コロナ対策は3年で100兆円)。
OECD諸国に対し日本の教育予算はかなり低い。
未来への投資と捉え、『教育国債』の発行も検討しても良い。
それに対する答弁は、
「個人消費の増加には、国民所得の伸びが
物価上昇を上回る状態をつくる必要がある」
と政府の政策が重要であるという考えを堅持するものでした。
神谷議員は、国民所得を上げることを中心に理解を示しながらも、
その結果が出てこなかった事を指摘し、
「やり方を変えていかないといけない」と念を押し、
再び、植田総裁へ質問しました。
金融緩和を続ける中、
どういう条件が揃えば金利を上げて引き締めるのか?
今後、国内金利の上昇に際して想定される
海外格付け機関による日本国債の格下げがあった場合、
その影響などについて総裁の考えは?
というのも、日銀が保有する国債は、
満期まで保有することを前提にしていて、
償却減価法で処理し時価評価にはなっていません。
時価評価すると、日銀の含み損は
2023年3月末で1571億円、直近で10兆5000億円と変化し、
日銀の自己資本12.7兆円に近づいてきていて、
それを問題する声があります。
対して植田総裁は答弁を繰り返す形となり、
「2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現が見通せる状況になれば」
と金利引き上げの条件について回答しました。
その上で、日本国債については、
政府が中長期的な財政健全化について
市場の信認を確保することが重要であると答えました。
神谷議員は、「2%」という数字はあるものの不明瞭な答弁に、
国民や市場関係者が準備ができるよう具体的な説明を要望しました。
日本国債の格下げへの影響については、
「気にしても仕方ないのではないか?」という考え方に触れつつ、
気にしている人たちへの配慮として十分な発信も要望し、
最後の質問へと移りました。
為替相場の変動が続くと予想されるが、
日銀として円高と円安のどちらの方が
これからの日本にとってメリットがあるのか?
これについても植田総裁から返ってきたのは、
「業種・企業規模・経済主体によって様々である」
という教科書通りの答え。
それを受け神谷議員は、現状を次のように分析し問いかけました。
名目GDPが4位に転落するというIMFの予想もあり、
日本経済は衰退していっている。
日銀は金融緩和でアクセルを踏む一方で、
政府は増税と緊縮でブレーキを踏んでいる。
食料やエネルギーが高くなり過ぎて国民生活が苦しい。
どうなるか分からないから、
国民はお金を使えない、企業も設備投資できない、
政府が「投資を国民に促す」と言っても
現金で持っておきたいという人が多い。
政府と日銀の方針が本当に一致しているのか?
今のまま「考えます」「様子見ます」
「どっちもメリット・デメリットがあります」だと、
みんな不安のまま現状が続いてしまうのではないか?
そこに外圧で「金利上げろ」と言われ急に上げれば、
国民が干上がってまた外国に色々 “買われる”
という事態が繰り返されるのではないか?
そう問いかけた上で、
日銀と外務省で方針を決め一致団結して、
国民と企業が国内でお金を使えて資産を増やせる状況を
つくって頂きたいとメッセージを送り、質問を終えました。
詳細は動画をご視聴下さい。