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2021.07.31

『ドイツで増え続ける「少女像」。外交の意味を問う』

2021/07/31 吉岡綾子、シュミット彩子

 

ミュンヘン在住の筆者の目に衝撃の記事が留まった[1]。またしてものドイツ慰安婦像である。しかも今回はミュンヘン市内!ドイツではここ数年間で計5体目。最初の(ヨーロッパ初の)設置はミュンヘンからほど遠からぬヴィーセント市であったからバイエルン州在住日本人としては2体目の屈辱的出来事と言える。

 

日本国内ではもはや説明不要の「いわゆる」従軍慰安婦像だが、これは世界進出とともにその名を「平和の少女像」と変えた。あたかも日韓摩擦の種を蒔くのが目的ではなく、女性の人権擁護の象徴を訴えているかの如き、すり替えネーミングだ。この像が「平和」とは無縁の反日プロパガンダ像である証拠は、この像と常にセットの「説明文」を見れば明らかだ。

 

今回この企画を行う主催「Art5」の説明文を引用してみよう。

 

『~中略~キム・ソギョン&キム・ウンソンの「平和の像」は、アジア太平洋戦争(1937~1945年)中に日本軍によってアジア太平洋地域で性的暴力を受けた20万人以上の少女や女性の記憶である。

 

パネルディスカッションにおいてはこの彫刻にまつわる芸術的、学芸的また政治的価値を問い、日本、韓国、ドイツ、そしてグローバル社会における第二次世界大戦中の性的暴力を記憶文化及び政策として記憶するために「平和の像」の役割を明らかにしたい。

 

矢嶋宰(やじまつかさ)は日本の写真家、ジャーナリスト、活動家。2003年から2006年にかけて韓国ソウルの存命慰安婦のための施設「シェアハウス」において慰安婦写真プロジェクトを韓国で展開した。2019年以降ここに在住。

 

レジーナ・ミュールホイザー博士は歴史学者。現在、ハンブルグ社会研究所等で、戦争における性的暴力、国家社会主義におけるジェンダーとセクシュアリティ、ヨーロッパとアジアにおける記憶政策などをテーマに研究している。』[2]

 

今回、設置舞台となっているのは市内中心部の芸術街で、国立美術アカデミーや観光名所のアルテピナコテーク以下数々の美術館が立ち並ぶ区画だ。この辺りは芸術人口の高さゆえ、個人のギャラリーや画廊が軒を連ねる。方々で有名・無名の芸術作品の個展や競売など催しが行われている。

 

大量生産された「像」であっても芸術の香り高い一画に座を占めると、あたかもそれが「芸術」であるかのごとき居住まいとなる、という訳だ。その「芸術性」は「日本軍によってアジア太平洋地域で性的暴力を受けた20万人以上の少女や女性」という歴史の捏造とセットで語られる度ごとに(彼らの思惑どおりに)それを観る人の記憶に残っていく。これをプロパガンダと言わずして何と言おう。

 

日本軍は慰安婦を「強制連行」などさせてはいないし、ただの一人もそのような例は見つかっていない。[3]

 

この捏造歪曲のプロパガンダ運動に日本人活動家が常に名を連ねていることも反日問題の特徴である。上記翻訳記事に出ている一名だけではなく、中略した箇所にも数人の日本人の名前が見える。日本を貶めるアンフェアな工作にこういった人々が加担していることこそ「誠にもって遺憾」である。

 

執拗な歴史戦に、ありとあらゆる手段で立ち向かうべきは外務省及び現地総領事であるはずだが彼らが何らかの役に立った例を我々はまずほとんど知らない。

 

外交とは一体何なのだろうと思う。

我々民間人に出来ることは全くもって些細なことだ。限界もある。署名も抗議文も心ある人々は声を挙げ続けているのだ。一度でいいからこの件で韓国政府並びに(これを受け入れている=知らぬ存ぜぬは通用しない)ドイツ政府に外交圧力をかける外務省の具体的努力を見てみたい。

 

[1]NHK ニュース https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210722/k10013153261000.html

[2]センターコート http://www.centercourt.gallery

[3]外務省 「慰安婦問題についての我が国の取り組み」https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/rp/page25_001910.html

 

 

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