2021.10.26
どうしてこんなことになったのか?
〜皇室問題に興味津々のドイツ〜
2021/10/26 吉岡綾子
「眞子さまは大学時代の友人と日本で結婚されましたが、この結婚式はメディアや世間から批判されていました。この告発は、新婦にも精神的影響を与えました。
どうしてこんなことになったのでしょう?」*1)
令和3年10月26日、日本のメディアは秋篠宮家のご長女眞子様のご結婚インタビューに沸いていた。が、それは日本だけの話ではなかった。筆者が仕事で街に出ると、いやここは日本かと見間違うほどドイツのメディアも日本の報道一色だった。
ドイツでも日本の皇室の話題は大きく取り上げられる。
というか、皇室のスキャンダルが大好きだ。上皇陛下ご長女の黒田清子様のご成婚時にはこのような報道を見なかった。が、ドイツの人々も皇室のスキャンダルなら実に詳しい。
雅子妃殿下の皇太子妃時代の精神疾患の問題も然り、愛子内親王殿下が小学校時代に登校を一時期見合わせた際も、各パブリックスクリーンで大々的に「日本のプリンセス、いじめに遭う!」*2)などと大仰に騒がれていた。
そして今回は「どうしてこんなことになったのか?」である。
そんなこと、こっちが訊きたい。
各種報道では概ね日本の報道の要約が流されていた。
二人が大学の同級生であること、新郎の母親の金銭トラブルが発端となり多くのメディアや国民が結婚に批判的であること、新郎のアメリカ留学が姫君の婚約者を装っていたためだということ、反対デモ、持参金問題、眞子様の精神疾患問題、インタビューの様子等々、、、。*3)
筆者はこの問題をドイツメディアがどこにその本質を捉えようとするのかに興味があった。
「なぜこんなことになったのか?日本の評論家の中には、宮内庁内の保守的な勢力が結婚に反対したのではないかと考える人もいる。また、宮内庁間の連絡の怠慢が不幸にも恋人たちを針の筵に置き去りにすることになったと非難する人もいます。
第三の説は、小室氏とあるいは眞子様の態度を非難するものです。彼らは、あまりにも我が道を突っ走り日本国民の好むやり方に十分にそぐわなかったのだ、と。また、花婿に失望するのは、皇室に後継者がいないことを心配してのことだとも言われています。そのうち、眞子様のお子さまたちが皇位継承者に名を連ねるかもしれませんからね。」*4)
分かったような、分からないような解説だが、日本にいわゆる「女系継承問題」が蔓延っていることを匂わせるニュアンスである。
明日以降、大方の在独邦人はドイツの人々にこの話題をどう思うかと話しかけられることだろう。日本の皇室問題が日本の国体にダイレクトに関わる重大問題であると意識している日本人は数多くない。ましてや外国人に説明できる人はほとんどいないし説明を受けたとして理解できる外国人はどれだけいるのだろう?
ロイヤルファミリーは常に好奇の目で見られている。
海外に逃げれば「普通の女の子」に戻れるものでもない。
新しい生活を独力でお選びになった元プリンセスのお幸せを陰ながら祈る一方で我々在外邦人が皇室の本質を正しく理解し、好奇の目から正しくお護りせねばならないのだとそんなことを考えた1日だった。
*2) https://www.welt.de/vermischtes/article6657464/Japans-Prinzessin-Aiko-wird-an-Schule-gemobbt.html