2022.03.05
日本の隣の隣は、北欧の国なんです!
2022/03/05 松本裕子
北京オリンピックが終わり、金メダルを一番多く取った国が決まった。北欧の国。ノルウェー。金メダル16個。なぜ、人口約530万人の国が金メダルトップなのか。現在オスロに住む20代の舞台女優にインタビューした。
北京オリンピックで16個の金メダル。おめでとうございます。なぜ、一番なのでしょうか?
「ノルウェーは、優秀な生徒を指導する学校があります。ここに通っていた生徒が、ほぼオリンピック選手として活躍します。とりわけノルデイックはわが国でとても人気があり、優秀な選手が次々と出てきます。国内の競争も激しいですからね。日本人選手、小林兄弟や高梨選手はノルウェーでも、よく知られています。
それと、オランダとの交換留学制度があります。ノルウェーのスケート選手は、オランダの学校で学び、オランダのスキー選手は、ノルウェーで学びます。ノルウェーとオランダ政府が、スケートとスキーの分野の選手育成システムや環境が、自国より整っていると考えているからです。こういう制度も、金メダル16個に貢献しています。」
ノルウェーで一番人気がある競技は何ですか?
「ノルウェー人が熱狂するのが、ジャンプ競技です。毎年W杯がノルウェーで行われます。その時には、ジャンプ台近くの公園で前日からキャンプをする人も多く、家ではテレビにかじり付いて見ます。テレビで夏季オリンピックをあまり見ませんが、冬季オリンピックは国民が固唾を飲んで応援しています。ジャンプ競技のカレンダーが人気があり、12人の選手が選ばれます。以前に葛西選手や高梨選手が選ばれました。」
ノルウェー人は、森や雪や氷などの自然と、どう向き合っていますか?
「ノルウェーで冬に白い服は禁止です。白銀の世界で完全に隠れてしまいます。ハッキリした色の服をきます。また、私たちは誰でも池や運河の氷の厚みを推測できます。この辺りなら人が歩けるとか、ここは危ないとか。氷を読むという表現があります。一方、旅行者は、ノルウェー人の様に氷の上を歩くことをが禁止されています。ノルウェー人があまりに上手に氷の上を歩くので、旅行者は試したくなります。しかし、毎年痛ましい事故が起きるので、旅行者歩行禁止の看板があちこちにあります。
また、オスロ市内は別として、森に近い学校は、オリエンテーションの授業があります。小学生の時から、地図を渡されて、森の中のチェックポイントでスタンプをもらって、元の場所へ戻っていきます。この訓練のおかげで、どの土地に行っても地図があれば迷うことは、ほぼないです。」
建国記念日に、決まった記念行事がありますか?
「はい。毎年5月17日が建国記念日、国のお誕生日です。オスロでは毎年王宮までパレードをします。国中が国旗を振り民族衣装を着てお祭り騒ぎです。みんな5月17日を楽しみにしています。ここ2年間はコロナで、かなり縮小されましたが……。」
ウクライナ、ロシア情勢について、教えてもらえますか。
「実はノルウェーはロシアと国境を接しています。日本もロシアが隣国なので、ノルウェーと日本はロシアを挟んでお隣同士なんですよ。
ノルウェーとロシアの国境には、それぞれの軍隊がいますが、普段はリラックスした感じです。
ノルウェーは、ウクライナからの難民を受け入れると宣言しています。難民はポーランドからドイツに行くでしょう。旧東ドイツはロシア語を学んでいたので、コミュニケーションが取れるからです。ロシアの侵略が早く終わることを願っています。」
ありがとうございました。
冬季五輪が終わるとほどなく世界情勢が不安になった。コロナとウクライナ情勢。東西冷戦構造の時、航空機はシベリア上空を飛ぶことができず、日本からヨーロッパへはアンカレッジ周りで往来していた。今後、ヨーロッパとアジアの間は、ロシア上空を経由することができず、再びアメリカ経由になるのだろうか。今ある常識がいつ覆されるかわからない。しかし、ロシアを挟んで、ノルウェーと日本がお隣同士だということは、これからもずっと続くのだ。
参考資料
https://www.mofa.go.jp › mofaj › area › norway › data
https://olympics.com/beijing-2022/olympic-games/ja/results/all-sports/medal-standings.htm