昨年から、国会の風景が変わった、国会が面白くなったという声をよく耳にします。
それは、参政党の国会議員が衆参あわせて30名となり、国会における質疑が本格化した影響が大きいと私は思っています。
その質疑の中で、特に多くの国民が関心を寄せているのが、
「我が国の失われた30年」の根本的な原因となっている消費税の問題ではないでしょうか?
「消費税は、企業が払う第二法人税だ」
「消費税は、赤字でも納税しなければならない」
「消費税は、賃上げ妨害税だ」
「消費税の一部は、社会保障目的だけではなく、一般財源として予算に計上されている」
これまで、あまり国民に知らされて来なかった様々な消費税の実態について、参政党の議員が担当大臣から言質を引き出す様子がテレビで流れました。

「消費税を減税したら、社会保障の財源はどうするのか」
「消費税を廃止したら、国や地方自治体の財政がもたないのではないか」
消費税減税の話になると、必ずと言っていいほど出てくるのが、「財源はどうするのか」という問題です。
確かに税収は減ります。
では、地方自治体の場合、実際にはどれくらいの影響があるのでしょうか。
私は、八千代市議会の一般質問で、
「もし消費税が減税、あるいは廃止されたら、八千代市の財政にはどの程度の影響があるのか」と質問しました。
すると、調べていく中で、私は二つの意外な数字に出会いました。
一つは、
「地方消費税交付金の約44%が、社会保障財源として使途を特定されていない」ということ。
そしてもう一つが、
「八千代市の一般会計歳出(支出)に含まれる消費税相当額が約44億円にのぼる」ということでした。
消費税について、政府はこれまで社会保障を支える重要な財源であると説明してきました。
実際、国の制度では、
消費税収は年金、医療、介護、子ども・子育てといった社会保障経費との関係で位置づけられています。
では、地方自治体ではどうなのでしょうか。
八千代市の答弁によると、
令和5年度の地方消費税交付金は、約46億4,000万円でした。
そのうち、老人福祉費、保育園費、障害者福祉費など、社会保障財源として使われたのは、
約26億2,000万円。つまり約56%です。
裏を返せば、残る約20億2,000万円、割合にして約44%は、
社会保障財源として使途を特定されない一般財源として使われていたということになります。
これは、私にとって一つの大きな発見でした。
「消費税は社会保障のための税金だから、減税すると社会保障ができなくなる」
という説明を聞くと、
私たちは、集めた消費税のほとんどが直接、福祉や医療、年金などに充てられているような印象を持ちがちです。
しかし少なくとも八千代市では、
地方消費税交付金の約44%は、社会保障目的に使途を限定されない一般財源として扱われていました。
もちろん、一般財源だから社会保障に全く使われていない、という意味ではありません。
一般財源は、福祉にも、教育にも、道路にもさまざまな行政サービスに使えます。
正確には、約44%が社会保障以外に使われたのではなく、社会保障財源として使途が特定されていなかったということになります。
消費税=そのまま社会保障財源と単純に考えるのは、地方財政の実態として、少し違うことが分かります。
ここからが今回の一般質問で最も興味深かったところです。
自治体は消費税を受け取る側だけではありません。
物品を購入したり、公共工事を発注したり、業務を委託したりするときには、
消費税を含んだ金額を支払っています。
そこで私は、担当部局に、
「八千代市の一般会計歳出には、一体どれくらいの消費税相当額が含まれているのか」
と試算をお願いしました。
その結果、示された数字が、約44億円だったのです。
ここで二つの数字を並べてみます。
地方消費税交付金 約46.4億円
一般会計歳出に含まれる消費税相当額 約44億円
単純比較では、その差は約2.4億円です。
もちろん、ここで、消費税を廃止すれば44億円がそのまま丸々浮くと結論づけることはできません。
消費税がなくなっても、現在110万円の契約が必ず100万円になるとは限りません。
人件費、原材料費、エネルギー価格、事業者の価格設定など、さまざまな要因があります。
一方で、「46億円の地方消費税交付金がなくなるから、そのまま46億円の財源不足になる」という考え方も、一面的ではないでしょうか。
自治体自身が支出している消費税相当額がどう変わるのか。
そこまで含めて計算しなければ、本当の影響は分かりません。

今回の一般質問から、私は二つのことに気づきました。
一つは、消費税収のすべてが、自治体において社会保障目的に使途を限定されているわけではないこと。
八千代市では、地方消費税交付金の約44%が一般財源として扱われています。
もう一つは、消費税を減税した場合、歳入が減る一方で、
行政自身が負担している消費税相当額も変化すること。
この二つを見ずに、「消費税を減税すれば、社会保障財源がそのまま失われる」と単純に結論づけてしまってよいのでしょうか。
私は、そこに今回の「財源問題の盲点」があると思います。
本当に必要なのは、歳入と歳出を両方計算することです。
消費税減税については、賛否さまざまな考え方があります。
だからこそ必要なのは、
結論を先に決めることではなく、数字をきちんと検証することです。
消費税を下げれば、
② 地方消費税交付金はいくら減るのか。
② 自治体の歳出(支出)に含まれる消費税相当額はいくら減るのか。
③ 地方交付税にはどのような影響が出るのか。
④ 家計消費や企業活動はどう変化するのか。
⑤ 所得税、法人税、住民税など他の税収はどう変化するのか。
ここまで合わせて計算して初めて、
「消費税減税には、いくらの財源が必要なのか」という議論ができるのではないでしょうか。
今回、八千代市の数字を調べてみて分かったのは、
消費税の問題は、思っていたよりずっと複雑だということでした。
地方消費税交付金約46.4億円。
そのうち、社会保障財源として使われたのは約26.2億円。
残る約44%は、使途を限定しない一般財源。
そして、市の一般会計歳出に含まれる消費税相当額は約44億円。
この数字を見れば、「消費税を減税すれば○○億円税収が減る。だから同額の財源が必要だ」
という一本線だけでは、実態を十分に説明できないことが分かります。
歳入だけでなく、歳出を見る。さらに経済全体への影響まで見る。
その上で初めて、消費税減税の本当の「財源問題」を議論できるのではないでしょうか。
今回の一般質問は、そのことを考える大きなきっかけになりました。
若松 博
Wakamatsu Hiroshi

所属議会
八千代市議会議員(千葉県)
経歴
妻と子供4人の6人家族。八千代市に暮らして27年。平成9年にIT会社を設立し、代表取締役に就任。ITで企業の業務改善に長年取り組んで来た経験と実績を活かし八千代市の諸問題を解決します!
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