軍事力だけでは実現できない国防|食料自給率について(1)|えざきさなえ
台湾有事が懸念される昨今、今に始まったことではありませんが、日本の国防が危ぶまれています。
国防と言うと真っ先に思い出されるのは軍事力ですが、直接的な武力のみならず、総合的に国を守る体制を整える必要があると考えています。
中国の戦略の古典書「孫子」の兵法の一節には、
”上兵は謀を伐つ、其の次は交を伐つ、其の次は兵を伐つ、其下は城を攻む“
という言葉があります。
敵を攻めるときは謀略を使うことが最上で、武力を以て敵を攻めるのは最後の手段ということです。
外交や情報戦、人の篭絡はもちろん、食料や水の供給を絶つことで勝敗を決することが出来てしまいます。
かつての太平洋戦争では軍人・軍属の戦没者数230万人の内、飢餓による犠牲は半数以上にのぼると言われ、これには完全に栄養が摂れずに亡くなる「完全飢餓」の他に、栄養失調によって病気に対する抵抗力がなくなり、病死に至った「不完全飢餓」が多数ふくまれています。
昨今のコロナウイルス騒動から自己免疫の重要さが注目されていると認識していますが、食事もこの免疫を高める要素の一つであり、戦場に向かって直接戦うことがないとしても、子を守る母親として、食料の確保ほど不安なことはありません。
日本の食料自給率は38%
2023年の日本の食料自給率は38%と言われています。
昨年から1ポイント改善されたようですが、それでも万が一の不測の事態が起こった場合、単純計算で4割しか満たされないといった状況になります。
この自給率の計算式には
・摂取カロリーで計算する「カロリーベース総合食料自給率」と
・取引される金額「生産額ベース総合食料自給率」の2種類があり、
国防という観点では、カロリーベースでの計算が採られます。
1965年から2000年まで下がり続け、そこから20年間、横ばいの状態が続いています。
自給率が低いと何がいけないのか?
食料自給率が低くなると、飢餓の可能性が大きくなってしまうことは想像に難くありませんが、それだけの問題ではありません。
先日、100歳で亡くなった元米国国務省長官のヘンリー・キッシンジャー氏は、
”食料をコントロールする者が人々を支配し、
エネルギーをコントロールする者が国家を支配し、
マネーを支配する者が世界を支配する“
と述べています。
食料をコントロールできないと、自立した人生を送ることが出来なくなってしまいます。
輸入に依存してしまうと選択の余地がなくなり、質の悪い食品でも食べざるを得ないと言ったことにもなりかねず、ここに安心と安全はありません。
また、現在の物価高は、輸入製品の価格高騰に影響されるコストプッシュ型のインフレと言われていますが、その影響を大きく受けているのはエネルギーと食料です。
食料は生産するだけでなく、輸送にかかるエネルギーも発生するため、コストは二重に上がってきてしまいます。
このように、食料、エネルギー、お金が関係してくる食料自給率は、国家として自立出来るかどうかという問題でもあり、飢餓の問題の他に高めなければならない理由は複数あるのです。
皆様こんにちは。江崎さなえと申します。私は今まで政治に無関心な国民の一人でした。 しかし、コロナ騒動で暮らしの根本が政治によって大きく変わり、政治に無関心でも無関係ではいられないことを痛感し、今まで当たり前だった大切なものに気づくことができました。 私は人と人とのつながりを大切にし、すべての個性が輝く豊かな社会をつくり、次世代により良い日本を引き継いでいきます。
江崎 さなえ
東京第28区国政改革委員東京都城北支部連合会