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みどりの食料システム戦略ってなんですか?

2024-12-09

『教えて!参政党議員さん』

ーみどりの食料システム戦略というのをたまに聞きますが、どんな内容なのですか?わかりやすく教えてくださいー

私、埼玉県飯能市議会議員パタソンひとみがお答えします。

画像は農林水産省ホームページより引用

みどりの食料システム戦略とは、
2020年3月、“農林水産省の環境政策の基本方針”の発表以来、2021年5月の“みどりの食料システム戦略”の発表、そして2022年4月22日に国会に提案されたみどりの食料システム戦略を推進するための法律で、略称の“みどりの食料システム法”となります。
みどりの食料システム戦略の背景には、化学肥料の原料のほとんどが海外依存であり、石油と穀物の価格高騰などが日本に及ぼす負の影響、さらには国際的な環境問題である地球温暖化や生物多様性の喪失が拡大していることに対しての対策であります。
日本における石油や穀物、化学肥料原料の海外依存の実態、食料安全保障の強化に向け肥料や飼料を含む食料調達への危機感が高まっており、持続可能な食料の供給体制構築を図るというものであり、現在2万5,200haの有機農業の取り組み面積を、2050年までに、有機圃場面積を100万ha、有機農業比率25%にするという具体的な数値が示されている政策であります。

日本農業は持続可能性をテーマに二酸化炭素を土壌等に固定化する温暖化防止と生物多様性の保全に貢献する有機農業をはじめ、有機物循環による持続可能な農業システムへの転換を推進していくために具体的な取り組みとして、以下の5つが挙げられます。

まず「環境負荷の軽減」です。これは、食料生産から消費までの全過程において、環境負荷を最小限に抑えることを目指します。具体的には、農薬や化学肥料の使用を減らし、有機農業の導入を促進します。

次に「持続可能な生産・流通・消費」があります。これは、食料生産の持続可能性を保つために、バランスの取れた農業生産体制の確立や、地域資源の有効利用を進めます。

「食品製造業の自動化・生産性向上のニーズ」に対応します。生産現場での人手不足問題を解消し、効率的な生産体制を構築します。

そして、「流通の合理化・自動化」を実施します。これは、AIやロボット技術を活用し、流通コストの削減や時間短縮を図ります。

最後に、「事業系食品ロスの削減」を推進します。これは、食品ロスの削減による経済効果と環境負荷の低減を目指します。

そこで、これらの取り組みを推進するため、農林水産省や経済産業省は「みどりの食料システム戦略緊急対策交付金」を提供しておりまして、みどりの食料システム戦略に取り組む事業者を支援するための補助金となります。

その具体策には、「オーガニックビレッジ」があります。有機農業に地域ぐるみで取り組む産地つくりとして、2025年までに100の自治体の宣言を目指し、2050年までの有機圃場面積100万haの実現に取り組んでおりまして、令和6年6月現在で、すでに124市町村が「オーガニックビレッジ」を宣言しているため、新たに2030年までに、200市町村の創出を目指しています。

◎みどりの食料システム戦略の取り組み事例の紹介
1970年代から循環型農法が営まれている埼玉県小川町は、埼玉県で最初にオーガニックビレッジを宣言されました。みどりの食料システム戦略の流れは、循環型の有機農業に親和性が高く、「有機の里おがわ」を持続発展させる好循環システムを構築する仕組みづくりを推進し、魅力あるまちづくりを目指すとして取り組まれております。

◎小川町ホームページ
https://www.town.ogawa.saitama.jp/0000005843.html

<参考資料>
◎みどりの食料システム戦略
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/

◎オーガニックビレッジ
https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kankyo/240625.html

◎みどりの食料システム戦略の取り組み事例集
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/attach/pdf/honbu-120.pdf

2050年までに有機農業用地を100万ヘクタールに拡大するという具体的な数値目標が掲げられ、有機農業の推進に取り組むことは、農業を営む方々の安心安全な環境づくりであり、ポジティブな環境で育った作物がみなさんの食卓に届けられる良い循環が生まれる大事な取り組みであると思っています。
みなさんと、この循環を一緒に広げていきましょう!

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