令和7年2月26日付で下記の通り質問主意書を提出しました。
政府からの答弁があった際には、こちらに掲載いたします。
『新たに指定した長崎大学のBSL―4施設に関する質問主意書』
提出者 吉川里奈
厚生労働大臣は令和七年一月二十四日付けで、国立大学法人長崎大学を特定一種病原体等所持者として、また、同大学内の高度感染症研究センター実験棟を特定一種病原体等所持施設(以下、「BSL―4施設」という。)として指定した。
右について、昨年十一月十五日から一か月間パブリックコメントを実施した結果、九万二千三百六件の意見が寄せられており、その内容は、「わざわざ日本で研究する意味がわかりません」「長崎大学は活断層の上にあるようで、予期しない災害を非常に心配しています」「ほとんどの国民が知らないうちにこっそり改正するのは良くないです。もっと新聞やテレビで報道して意見を広く求めるべきです」「研究施設から外部に出て感染症が広がった場合の補償はありますか」など、施設の必要性への疑問や事故や災害への懸念が多数挙げられている。
国は、この施設において特定一種病原体を対象とした基礎研究や人材育成、特に疫学研究、感染機構研究、病態研究、医療応用研究などを行うとしているが、具体的な成果や便益のイメージが想起しづらい一方で、リスクの告知や対応、補償などの体制や経済的バックアップが不明確であるため、国の安全管理に対する具体的な取組や責任体制が問われていると考える。
以上を踏まえ、質問する。
一 人為的事故や災害の場合の備えについて
二 地震に対する安全性について
BSL―4施設の「地震に対する安全性の確保」の基準は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律施行規則(一種病原体等取扱施設の基準)第三十一条の二十七第三号によって建設省告示を引用している。しかし、同告示が地震リスクを含む立地条件を十分に考慮しておらず、致死率の高い特定一種病原体を取り扱う施設の場合の安全基準として不十分であると懸念している。そこで、地震発生時の対策と施設の安全性に関して、現在の基準の適切性と省令改正の必要性について、政府の見解を求めたい。
三 成果の盗用や海外移転を防止する制度について
四 研究の倫理基準について
五 透明性の確保について
BSL―4施設における事故や盗難、流出事案の報告と対応の透明性の確保は、公衆の信頼を維持するために不可欠であると考える。
六 感染事故対策について
事故などにより、万が一感染者が発生した場合、施設内または近隣に隔離施設は用意しているのか。具体的な概要を明らかにされたい。
七 BSL―4施設の周知徹底について
長崎大学のBSL―4施設の情報提供について、政府は、各府省庁のホームページなどの掲載や、地域とのコミュニケーションを通じて行っているとのことだが、閲覧数や参加人数などの周知効果をどのように把握しているか。政府による記者会見の実施状況も含めて回答されたい。
右質問する。