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2025.8.05

我が国の領土保全を脅かす中国海警船舶の接続水域長期巡航への対応に関する質問主意書|松田学

令和7年8月4日付で下記の通り質問主意書を提出しました。
政府からの答弁があった際には、こちらに掲載いたします。

『我が国の領土保全を脅かす中国海警船舶の接続水域長期巡航への対応に関する質問主意書』

提出者:松田学

 産経新聞は二〇二五年七月二十二日、沖縄県石垣市の尖閣諸島周辺の領海外側に当たる接続水域において、中国海警局所属の船舶(以下「中国海警船舶」という。)四隻の航行が海上保安庁の巡視船によって確認され、同水域における中国当局の船舶の確認は、報道時点で二百四十六日連続となった旨報じた。二〇一二年九月に当時の野田佳彦政権によって尖閣諸島の魚釣島などが国有化されて以降、最長の巡航日数となっており、実効支配の主張を目的とした中国側の動きとしては、明らかにフェーズが一段上がったと考えるべきである。

 こうした中国側の行動を牽制するため、我が国の海上保安庁巡視船は、悪天候下においても常時、接続水域から領海内にとどまり、努力を続けている。しかし、近年巡航する中国海警船舶は、海軍艦艇改修型を含む重武装型であり、大口径機関砲を標準装備する強力かつ大型なものであるため、洋上での能力は海上保安庁巡視船を明らかに上回るものとなっている。海上保安庁巡視船に対抗し、今後、中国側は通年で接続水域を巡航するなど、主権主張のための行動がエスカレートするものと思われる。

 こうした尖閣諸島の事態を踏まえ、中国海警船舶の巡航が拡大している状況を各省庁が協力して安定させ、領土保全のための抜本的な措置を採ることが求められる。とりわけ、海上保安庁が進めている大型巡視船の整備については、物価高によって今後の増強計画に支障が出ないよう速やかに対処することが必要である。

 以上を踏まえて、以下質問する。

 
接続水域における中国海警船舶の巡航が通年化・恒常化する事態が目前に迫る中、政府はどのような措置を採るつもりか示されたい。外交における外務省、尖閣諸島の現場対応を行う海上保安庁や自衛隊等の政府機関が連携して採るべき措置や体制の整備について、具体的に示されたい。

 
産経新聞は二〇二五年七月七日、中国海警船舶の巡航の拡大に対応するために計画されてきた大型巡視船建造について、近年の資材価格及び人件費の高騰が影響し、一隻当たりの建造費が過去最高の百八十八億円に達したと報じた。政府は二〇二二年に閣議決定した「海上保安能力強化に関する方針」に基づき、総トン数一千トン超の大型巡視船の拡充を進めている。
 しかし、例えば、二〇二〇年就航の三千五百トン級巡視船の一番船「みやこ」の建造費は約百四十四億円だったが、その後の同型船のうち、二〇二六年以降完成予定の三隻の建造費は「みやこ」の建造費よりも約四十四億円増(約三十一%増)の見込みとなっている。また、一千トン級巡視船の一番船の建造費は約六十八億円だったが、その後の同型船の建造費は約九十六億円(約四十一%増)となる見通しである。
 通常は設計費を計上する一番船の建造費が最も高くなるはずだが、前記のような状況を踏まえると今後の整備計画に支障が出るおそれがある。政府として、予算措置の見直し等、計画の遂行のためにどのような措置を考えているか示されたい。

 右質問する。

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