令和7年2月26日付で下記の通り質問主意書を提出しました。
政府からの答弁があった際には、こちらに掲載いたします。
『日本の伝統産業であるいぐさ及び畳表に係る国内産業支援に関する質問主意書』
提出者 吉川里奈
畳表の生産枚数は、平成八年から令和六年にかけて約二千六百九十四万枚から百四十一万枚へと激減している。これに伴い、国産品の総生産額は三百四十三億円から三十一億円へと大幅に減少し、国内生産額も十分の一以下に落ち込み、自給率も七十%から二十二%へと下がった。また、輸入畳表の枚数は千百三十七万枚から五百二万枚へ減少し、輸入品の総輸入額も八十一億円から五十一億円へと低下している。現在の畳表の単価は、国産品が一枚当たり二千二百十二円、輸入品が千二十三円で、国産品は輸入品の二倍以上の価格である。
国内の需要動向を見ると、平成元年から令和五年までの間に畳表の総枚数は千七百十六万枚から三百二十八万枚へと約五分の一に減少し、一戸当たりの畳替枚数も〇・四二三畳から〇・〇五六畳へと大幅に下落していると考える。
これらのデータから、過去三十年間で畳表の生産枚数、生産額、需要はいずれも減少し続けており、国内生産業者は非常に厳しい状況に直面していると考える。
いぐさ及び畳表は、寺社仏閣や茶室など、日本の伝統的な建築と文化にとって不可欠であり、これらは日本の文化的精神性を支えるとともに、国際的にも日本の魅力と競争力の源となっていると考える
このような背景を踏まえ、畳表産業の持続可能な支援と発展のためには、政府の積極的な役割が求められる。具体的には、国内のいぐさ及び畳表に対する需要拡大、国産品の維持存続のための経済的支援、産地偽装の処罰や取締り強化が必要ではないかと考える。
以上を踏まえ、質問する。
一 いぐさ及び畳表の需要拡大と、国産品の保護・支援のために現在実施されている取組と、それに割り当てられた年間予算の金額、及びそれによる具体的な成果をそれぞれ回答されたい。
二 新築や改装される建物・施設に畳表(和室、置き畳など)の使用を促進するために政府が現在検討している施策や経済的支援はあるか。また、過去にこのような措置を採用し、検討した経緯がある場合、その詳細を回答されたい。
三 国内生産者に対する所得補償を含む経済的支援と、輸入品に対する保護関税の強化について
四 いぐさ及び畳表の輸入品を国産品と偽る産地偽装問題について
五 国宝及び重要文化財等の建造物の保存修理に国産漆を用いることを文化庁が指定した例のように、国産いぐさの需要拡大のために政府が講じている施策を示されたい。
右質問する。