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2025.4.02

「高度専門職」外国人受入れと安全保障上の懸念に関する質問主意書

令和7年4月2日付で下記の通り質問主意書を提出しました。
政府からの答弁があった際には、こちらに掲載いたします。

『「高度専門職」外国人受入れと安全保障上の懸念に関する質問主意書』

提出者 神谷宗幣

 政府は、少子高齢化による労働力不足や国際競争力の強化を目的として、「高度専門職」という在留資格を設け、高度人材の受入れを推進している。平成二十一年五月二十九日の高度人材受入推進会議による報告書では、高度人材を「国内の資本・労働とは補完関係にあり、代替することが出来ない良質な人材」と定義し、日本の「産業にイノベーションをもたらすとともに(中略)専門的・技術的な労働市場の発展を促し、我が国労働市場の効率性を高めることが期待される人材」と位置付けている。しかし、高度専門職の在留資格を取得している外国人の国籍・地域別割合は、令和五年末時点で中国が約六十六%を占め、次いでインドが約五%、台湾が約四%となっている。

 中国には「国防動員法」、「国家情報法」及び「反スパイ法」などの法律があり、海外在住の中国人も必要に応じて中国政府の指示に従い、対外諜報活動などに協力しなければならないとされている。このような法律が存在することを踏まえると、日本の出入国管理において安全保障の観点から、中国を他国と区別するなどの慎重な対応が求められる。事実、平成三十年九月には、米国に在住する中国人エンジニアが中国の主要な国家情報機関の指示を受け、諜報活動を行っていたことが発覚している。こうした事例は氷山の一角にすぎない。

 これらのリスクを踏まえて、米国や豪州では既に中国籍の研究者や留学生に対するビザ審査を厳格化する動きが進んでいる。一方、日本ではそのような動きは見られず、むしろ「高度人材ポイント制」を導入し、高度専門職の受入れを促進している。この制度では、学歴・実務経験・年収・日本語能力などの条件を満たせば、通常より短期間で永住許可申請が可能となるなど、様々な優遇措置が設けられている。

 例えば、「高度専門職一号(イ)」では、三十歳未満、修士号取得者、実務経験五年、日本語能力試験N1取得者、年収六百万円の場合、「高度専門職一号(ハ)」では、修士号取得者、実務経験十年、年収一千万円、日本語能力試験N1取得者、代表取締役の場合には、いずれもポイント八十点となり、原則として十年の連続在留が必要な永住許可申請が最短一年で可能となる。他方で、外国人が国民栄誉賞を受賞するなど日本社会や地域に顕著な貢献をした場合でも、永住許可を申請するには最低五年の滞在期間が必要とされている。

 このように顕著な社会貢献もなく、学歴、年収、日本語能力等の条件を満たし、単にポイントが八十点以上あれば「代替することが出来ない良質な人材」として最短一年で永住許可申請が可能となる高度人材ポイント制は、公平性の観点からもバランスを欠いていると考える。

 以上を踏まえて質問する。

 
学歴、年収、日本語能力等の条件を満たすだけで「代替することが出来ない良質な人材」とする現行の高度専門職の受入れ基準は、日本の産業や社会に十分な利益をもたらす人材であると判断する基準としては不十分と考える。例えば、犯罪歴の有無、就労内容の妥当性、技術の先端性、安全保障上の懸念なども考慮した、より総合的かつ実効的な審査基準とすべきと考えるが、こうした基準の厳格化を検討する考えはあるのか政府の見解を示されたい。

 
安全保障上の懸念から、「国防動員法」、「国家情報法」及び「反スパイ法」などの法律に基づく対外諜報活動への協力義務がある国の国籍者に対して、政府はどのようにして安全保障のリスクを認識しているのか示されたい。特に、諜報活動の危険性については厳格な審査基準が設けられているのか示されたい。

 
永住許可の優遇措置については、高度人材ポイント制により、特段の功績や社会的貢献がなくとも最短一年で永住許可申請が可能とされている。しかし、労働者不足の状況下では、所定の実務経験は容易に満たされることから、当該優遇措置の要件に功績・業績等の実質的な貢献を追加すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

 
米国や豪州が安全保障を理由に特定国籍の研究者や留学生に対するビザ審査を厳格化している一方で、日本政府は同様の措置を講ずる予定があるか示されたい。予定がない場合、その理由を明らかにするとともに、当該高度人材による安全保障上の情報漏洩リスクに対し、どのような措置を講じているのか明らかにされたい。

 右質問する。

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