政治を変えていくと聞くと、一体どんなことをイメージされるでしょうか?
人によっては経済、教育、食、エネルギーといったことを挙げるかもしれません。
ただ、おそらく多くの市民の方にとっては、そのイメージは漠然としていて、正直よくわからない、というのが実情ではないでしょうか。
私が日々、市民の方たちと話をする中で、よく耳にするのが「道路」の話です。
福井市では雪が降れば除雪が必要となりますが、そのたびに道路が傷んでしまうという声を多くいただきます。
たとえば、中学校前のボコボコになった道路などがその象徴です。
道路は、市民の毎日の暮らしを支える最も身近な公共インフラです。
通勤・通学、買い物、散歩、子どもの登下校、高齢者の通院…すべての移動が道路に関わっています。
その整備や安全性は、政治や行政が動かなければ改善されません。
つまり、道路の問題は決して小さな話ではなく、市民の生活と直結する大きな政治課題なのです。
福井市では今、道路行政における深刻な課題として、「インフラの老朽化」が浮き彫りになっています。
高度経済成長期に整備された橋や道路、歩道橋が次々と寿命を迎え、修繕や更新が急務となっています。
これに対し市では、「長寿命化修繕計画」を策定し、壊れてから直すのではなく、計画的・予防的に対応する取り組みを進めています。
もう一つの大きな課題は、交通環境の「利便性」と「バランス」です。
福井は車社会のため、自動車優先の道路設計が中心でしたが、高齢化が進む中で、歩行者や自転車利用者にとっての安心・快適さが求められています。
とくに中心市街地では、狭い歩道や駐輪スペースの不足、バスの利便性の低さといった問題が市民から多く寄せられています。
現在、福井駅前や大名町交差点では、歩行者空間の拡充やユニバーサルデザインの導入が進められています。
こうした道路の課題は、まさに「市民の暮らしの質」に直結しています。
国家的な政策議論も大切ですが、市民が日々感じている不便や不安こそ、地方議員が真剣に向き合うべき課題です。
歩道の段差、暗い夜道、滑りやすい雪道…。
そういった“些細に見える声”に耳を傾け、日々の課題に誠実に向き合う姿勢こそが、政治への信頼につながり、地方政治に求められるものであると考えます。
さらに、近年の気候変動や災害への備えも重要です。
福井市は豪雪や地震に備え、「国土強靭化地域計画」を策定し、災害時でも寸断されない道路ネットワークの構築を進めています。
道路は、災害時には命を守る「ライフライン」となります。
だからこそ、その整備と維持は、政治が果たすべき大切な責任です。
政治とは、遠い議会や政党の話ではなく、「今日、安全に歩けるか」「雪の朝、子どもを安心して送れるか」という、日常の実感から始まります。
議員は、市民の日々の不便や不安に真摯に耳を傾け、地道に、着実に、改善を重ねていく存在であるべきです。
「身近なことこそ、政治の入り口」。
この視点を持ち続けながら、福井のまちと暮らしを守る取り組みを続けていきます。
その先に、未来があると信じて。
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宮岡 かつや
Miyaoka Katsuya
所属議会
福井市議会議員(福井県)
経歴
近畿大学 経営学部 卒業
カイロプラクターとして開業