長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典は、被爆の悲劇を世界に伝え、核兵器廃絶と恒久平和への願いを発信する重要な場です。今年、被爆80年という歴史的節目を迎えるにあたり、我が党は台湾を正式に招待することを強く求めます。
まず、長崎の原爆被害は日本人だけでなく、当時日本統治下にあった台湾出身者にも及びました。現在も台湾には被爆者が在住し、高齢化が進む中、彼らが式典に参加し追悼と平和の祈りを捧げることは極めて意義深いものです。長崎市と台湾被爆者の間には、医療支援などを通じた長年の絆があります。この歴史的・人道的つながりを尊重し、台湾代表や被爆者を公式に招待することは、式典の本旨に合致します。
また、長崎市は招待基準として「日本に大使館がある国」「国連に代表部がある国」を挙げていますが、時代や情勢によって柔軟に見直されてきた経緯があります。広島市は今年、台湾側の参加希望に応じて案内を送る決断をしました。長崎市も形式にとらわれず、平和の理念に立ち返った柔軟な対応が求められます。
さらに、今年は台湾側から初めて公式に式典への参加希望が伝えられました。台湾は国際社会でも人権や平和を重視する存在として評価されており、台湾の参加は式典の国際的意義を高めるとともに、被爆の記憶をより広く世界と共有することにつながります。
被爆80年という節目は、台湾在住被爆者が存命のうちに公式な場で追悼と平和の祈りを共にできる、最後の機会となるかもしれません。今こそ、形式的な基準を超え、平和都市・長崎としての真価を示すべき時です。
私たちは、台湾を正式に招待し、被爆の記憶と平和の祈りを国境や立場を超えて共有することを強く求めます。