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2025.1.24

ガバメントクラウドとデータ主権及び経済安全保障に関する質問主意書

令和7年1月24日付で下記の通り質問主意書を提出しました。
政府からの答弁があった際には、こちらに掲載いたします。
 
『ガバメントクラウドとデータ主権及び経済安全保障に関する質問主意書』

提出者 神谷宗幣

 令和六年十二月二十四日、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律の一部を改正する法律が成立した。衆参両院における審査において、ガバメントクラウドが海外のクラウドサービス提供事業者(以下「CSP」という。)に依存することに対し、データ主権と経済安全保障の観点から懸念が示され、国内のCSPの育成や地方自治体への情報提供など利用拡大に向けた措置を講ずるべき旨の附帯決議が付された。

 衆議院では、「ガバメントクラウドが海外企業のクラウドサービスに依存している現状について、データ主権及び経済安全保障の観点から懸念が示されていることを踏まえ、ガバメントクラウドの要件を満たす日本企業のクラウドサービス提供事業者を育成するための方策を早急に講ずること。また、地方公共団体に対して、日本企業のクラウドサービスも含めて各社のクラウドサービスの特徴を情報提供するなど、利用機会の拡大に向けた措置を講ずること」との附帯決議が付された。

 参議院でも同様に、「ガバメントクラウドが海外のクラウドサービス提供事業者に依存することによるデータ主権及び経済安全保障の観点からの懸念を踏まえ、国内のクラウドサービス提供事業者を育成するための方策を早急に講ずること。また、行政機関等に対して、国内のクラウドサービス提供事業者も含めた各社のクラウドサービスの特徴を情報提供するなど、利用機会の拡大に向けた措置を講ずること」との附帯決議が付された。

 現在、CSPは外国企業四社であり、日本企業一社が提供準備中である。そのため、令和六年度末までにガバメントクラウドに移行することが求められる地方自治体にとって、事実上、日本企業のCSPを選択することができない状況にある。

 以上を前提に、以下質問する。


 地方自治体に対して外国企業のCSP以外の選択肢を提供するため、日本企業のCSPに対する支援や補助金を含め、政府はどのような施策を講じているか具体的に示されたい。


 地方自治体がガバメントクラウドに移行する場合には「デジタル基盤改革支援補助金」が支給されるが、地方自治体が自前のデータセンターでデータ管理を継続するなど、オンプレミス継続の場合には補助金は支給されない。このため、多くの地方自治体が事実上、外国企業のCSPが提供するクラウドサービスへの移行を余儀なくされる状況にある。
 住民情報を扱う地方自治体にとって、データ安全性や運用コストの面で、オンプレミス継続とガバメントクラウド移行のどちらが合理的かは、いまだ議論が分かれている。このような現状において、地方自治体に対して、オンプレミス継続の場合に補助金を支給しない理由を示されたい。また、データ主権や経済安全保障の観点から附帯決議が付されていることを踏まえ、日本企業のCSP育成が進むまで、オンプレミス継続を支援する施策を講ずる予定はあるか示されたい。


 地方自治体のクラウドロックインを回避するため、一度CSPを選択した後に、他のCSPへ見直す機会を設けることについて、政府は費用助成などの措置を検討しているか示されたい。


 一千七百を超える全国の地方自治体を、同時期にガバメントクラウドに移行させることにより、需要過多によるベンダーの対応困難、デジタル人材不足、価格の高騰などの問題が生じている。政府は、これらの問題に対し、何らかの対策を講ずる予定があるか示されたい。また、移行期間を調整するなどの措置を採らなかった理由を示されたい。


 デジタル庁が一括してCSPに支払うガバメントクラウドの利用料について、今後五年間にわたる総額の見通し及びその算出方法について具体的に示されたい。

 右質問する。

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