愛知県一宮市議会議員 佐々 のりな
皆さんは、ご自身が住んでいる地域の「耕地面積」をご存知でしょうか?
農林水産省のウェブサイト(https://www.machimura.maff.go.jp/machi/index.html)で簡単に調べることができます。
この数字は、私たちの地域の農業の現状を知る重要な指標の一つとなっています。
私は、愛知県一宮市議会議員の佐々のりなです。議員になる前から「日本の農地を守りたい!」という強い思いを持っていましたが、実際には地域の現状を十分に把握できていませんでした。その経験から、まずは自分の足元から農業の実態を知ることの大切さを実感しています。
一宮市の耕地面積は市全体の3.8%(令和4年)、2,750 haに過ぎません。この数字は年々減少傾向にあります。
全国的な課題である農業従事者の高齢化と後継者不足の影響で、農地の宅地化やソーラーパネルの設置が進み、耕作放棄地も増加しています。平成27年(2015年)の東海3県の耕作放棄地は、 2万2,305haで、20年前に比べて5割増加しました。
特に深刻なのは、農業従事者の高齢化です。日本の農業従事者の多くが65歳以上という現実があり、若い世代の農業離れも続いています。このままでは一宮市の農地はさらに失われかねない状況です。
私は、この状況を改善する一つの方法として、学校給食における国消国産率の向上を提案しています。確かに、大規模な給食提供には様々な課題があります。しかし、先進的な取り組みを行っている自治体の例から、実現の可能性を見出すことができます。
例えば、耕地面積がわずか0.3%の大阪府泉大津市では、”日本の食を守る”という明確な視点のもと、全国の農家と連携して有機給食を実現しています。この事例は、面積的な制約があっても、工夫次第で地域の食を守る取り組みが可能であることを示しています。
私たちの地域には「市民農園」という大きな可能性があります。市民農園では、キャンセル待ちが約50名にも及ぶほどの人気を博しています。各区画では、季節の野菜が生き生きと育てられ、利用者の方々の熱意が感じられます。
かつては、学校行事や地域の農家との交流を通じて、農業は私たちの生活により身近な存在でした。しかし、現代では多くの人々が農作物の生産過程から遠ざかり、スーパーマーケットの棚に並ぶ完璧な形の野菜だけを求める傾向があります。市民農園は、そんな現代人が農業を身近に感じ、作物を育てる喜びや苦労を実感できる貴重な場となっています。
・・・農業を身近に触れる機会の減った今、こういった場でより多くの方に農家の方達の苦労や地場産の良さを実感いただき、日本の農に感謝すると共に、買って応援が当たり前になることが遠いようで近道な気がします。
私は、令和6年3月議会の一般質問で、一宮市の農業に関する課題を取り上げました。
100年後も日本の食文化を守り、持続可能な農業を実現するため、以下の取り組みを積極的に推進しています。
上記の耕作放棄地の活用として、一宮市では、今春からは、民間主導で革新的なプロジェクトが始まります。
一宮たねまき会さんが会の農地を利用し区画貸しにて単に野菜を作って消費するだけではなく、「農」自体を楽しく活動できるような継続性のある基盤をつくり、まちを変える仲間を増やしたいと指導されました。「市内の耕作放棄地の活用すること」、「農業を通じて「まちの未来を考える」人材を育成すること」を目的として一宮市を中心に活躍している農業系Youtuberさんを講師に招きワークショップも開催し、またそれをYouTubeにも配信されるプロジェクトです。
このプロジェクトから波及する一宮市の未来に期待しています!
農業には「低収入」「将来性がない」というネガティブなイメージがつきまとっていますが、それを変えるのは私たち一人ひとりの意識と行動です。私自身、10年前から自然栽培による家庭菜園を実践し、子どもたちと共に土に触れ、作物を育てる喜びを実感しています。
この経験を通じて、農業には単なる食料生産以上の価値があることを強く感じています。それは、生命を育む喜び、自然との調和、食の大切さを学ぶ機会、そして地域コミュニティを育む力です。
議員として実現に向け行動することももちろん進めて参りますが、地域の皆様と共にできるところからスタートです。
地産地消もしくは国消国産を意識し、地域の農業を守るために、皆さんも身近なところからできることを始めてみませんか?
—
佐々 のりな
Sasa Norina
所属議会
一宮市議会議員(愛知県)
経歴
夢だった音楽業界の裏方で仕事をするが、体調を崩し、置き薬業 和漢薬房に戻る。 中和医療専門学校鍼灸科(38歳)卒業。 今まで仕事を通して健康づくりを伝えてきたが、 行政と健康が繋がっていることに気づき決意。令和5年、3,011票で上位当選。
X:https://twitter.com/33Norina
Facebook:https://www.facebook.com/33ichinomiya
Instagram:https://www.instagram.com/33norina/
ホームページ:https://33norina.com/